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EIGA, MON AMOUR

今まで、「映画賞」「俳優」「映画運動」と、どちらかと言うと製作段階のことを特集してきましたが、今回のお題は、ガラリと変わって「映画興行」。映画界の“いま”を知る上で、非常に大事なテーマです。映画検定にも頻出なので、受験者の方は、3か月後の試験に向け、一気に予習しちゃいましょう!

取材・文=小山田桐子

今回のテーマ:映画興行関連のデータから映画を学ぶ

下記は2013年外国映画の年間興行成績ベスト10だが、その特徴として間違っているものを選びなさい。

  • (ア) アメリカ映画がベスト10のうち8本を占めている。
  • (イ) 東宝東和の配給作品とディズニーの配給作品で、ベスト10のうち8本を占めている。
  • (ウ) ベスト10、全ての作品が3D上映された。
  • (エ) ベスト10、全ての作品が興行収入20億円を超えた。
大谷
うーん、間違ってるのは一つだけなんですよね。全部合ってるようにしか思えないんですけど。
松﨑
一つだけ間違ってます(笑)。
大谷
僕が問題をつくるとしたら、やっぱり今の傾向を表すものにしたいと考えると思うんですよね。だとしたら、(ウ)の3Dについてか、(エ)の興行収入20億円のどっちかが答えなんじゃないかなあって。要は、「それだけ洋画にお客さんが入っていない」っていう答えを導きたいので。
松﨑
なるほど、いい読みですね。
大谷
じゃあ、(エ)。
松﨑
あ~、残念。一つだけ間違っているのは(ウ)「ベスト10、全ての作品が3D上映された。」です。読みは非常に正しくて、先ほどおっしゃったような意図で問題を作っているんですが。
大谷
そっちですか~。
松﨑
ベスト10の半分(「レ・ミゼラブル」「ワイルド・スピード」「ダイ・ハード」「007」「テッド」)は3D上映していないんです。
大谷
へー、ってことは、3Dだからヒットしてるわけじゃないんですね。
松﨑
そうです! それも問題の意図ですね。
大谷
何でもかんでも3Dにしているイメージがあったけど、実はそうじゃないんですね。
松﨑
必ずしもそうじゃなくなってきていますね。それから、興行収入20億円というのが最近のヒットの目安なのですが、昨年はベスト10の作品がそれをすべて超えたというのもトピックのひとつですね。
大谷
ヒットの目安、昔に比べたらずいぶん低いですよねぇ。
松﨑
そうですね。(イ)の選択肢にあるように、昨年の洋画のベスト10は10本中8本を東宝東和(「レ・ミゼラブル」「テッド」「グル―」「ワイルド・スピード」)とディズニー(「モンスターズ・ユニバーシティ」「シュガー・ラッシュ」「ローン・レンジャー」「アイアンマン」)の2社が占めてしまっている。他のパラマウント、ワーナーといった大手が実は入っていないんです(「007」はソニー、「ダイ・ハード」はFOX)。これは「洋画が全体的にちょっと元気がないんじゃないかな」って大谷さんがおっしゃることにもつながる、昨年度の傾向の特徴だと思いますね。この問題の選択肢を見れば、今どういう映画が流行っているのか、その傾向が大体分かるんじゃないかと思います。ということで、続いて2級の問題。2013年は映画館のほとんどがフィルム上映からデジタル上映に変わっていった年ですので、それにまつわる問題です。