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映画検定
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目指せ、1億総映画オタク 映画検定天才塾 第1回

映画は、バクハツだ! 多くのひと(監督、脚本、撮影、出演etc.)が集まり、さまざまな芸術要素(映像、文学、音楽、衣裳etc.)を駆使してつくられる、ビッグバンさながらの総合芸術。だからこそ映画は、知れば知るほど面白い。

というわけで、KINENOTEでは、映画の塾を始めます。せっかくなので、秋に行われる映画検定の受験対策講座を開講します。塾長は、映検1級合格者の映画文筆家・松﨑健夫先生。「むずかしいものを噛み砕いて説明するのが好き」という言葉どおり、分かりやすい授業に定評あり。一方、生徒に名乗りをあげたのは、映画・音楽などのカルチャーについての、芸人らしからぬ博識ぶりを誇る大谷ノブ彦さん。映検受験の経験はないにせよ、そりゃあもう、今スグ優等生まちがいなし?

取材・文=小山田桐子

今回のテーマ:アカデミー賞から映画を学ぶ

松﨑
大谷さん、映画検定ってご存知ですか。
大谷
もちろん、知ってます。映画はずっと好きですし、これを取ることで仕事につながるんじゃないかなって気持ちもあって、気になってました。でも、実際に受けるとなると、ビビっちゃって。
松﨑
なるほど(笑)。多分この連載を読む人の中にも、受けようかなあと思いつつ、なんとなく気が引けている人は少なくないんじゃないかと思うんです。だから、この企画を通して、映画検定の問題は闇雲に作られているのではなく、実はちゃんと意図があるんだってことを知ってもらえたらな、と。それが分かれば、勉強の仕方もあるんじゃないかな、と思うので。というわけで、この企画では、毎回テーマを決めて、実際に、大谷さんに4級から1級の問題をこの企画で解いていただこうと思います。
大谷
え、1級の問題も解くんですか? いやー、ドキドキするなあ。
松﨑
今回は作品編ということで、作品に関する問題を出題します。では、まず、4級の一番簡単な問題から。

「ウォルト・ディズニーの約束」(2013)はある映画の製作裏話を描いているが、その作品とは何か?

松﨑
大谷さん、もう答え分かってる感じですね。
大谷
はい。「メリー・ポピンズ」!
松﨑
正解です。
大谷
よっしゃー! 4級の問題がこれぐらいのレベルなら、僕、満点取る自信ありますよ。
松﨑
4級はですね、出題範囲から言うと、2000年以前の問題は出ないんですよ。しかも、基本的には、ちゃんと全国のシネコンで上映しているような映画を問題にしている。だから、普通に映画を見ていれば正解できるような問題になっています。
大谷
なるほどね。4級に関していえば、そんなに怖がることはないんですね。
松﨑
そうですね。ここで注目してもらいたいポイントは、選択肢です。さっきも言ったように、この選択肢もまったく意味がないものを並べているわけではないんですよ。まず、なぜ、(ア)に「サウンド・オブ・ミュージック」を入れているのかというと、この映画は、「メリー・ポピンズ」で主演女優賞を獲得したジュリー・アンドリュースがその翌年に出演した作品で、かつ、「メリー・ポピンズ」が果たせなかったアカデミー賞の作品賞に輝いたからなんです。そして、(イ)の「チキ・チキ・バン・バン」は、「メリー・ポピンズ」に出演しているディック・ヴァン・ダイクが出ている同時期のミュージカル映画なんです。引っかけじゃないですけど、同じ人が出ている当時の似たようなミュージカル映画が選択肢になっている。実際、「ウォルト・ディズニーの約束」を見ると、「チキ・チキ・バン・バン」の話も出てくるんです。
大谷
面白い。そう聞くと、「チキ・チキ・バン・バン」にも興味が出てきますね。
松﨑
(ウ)の「マイ・フェア・レディ」はオードリー・ヘプバーンが演じたんですね。
この2本は1964年に公開されて、結果的に無名だったジュリー・アンドリュースにアカデミー賞が渡ったという因縁みたいなものもあるんです。
大谷
なるほどねえ。ちゃんと間違っている3つの選択肢にも意味があるんですね。
松﨑
はい。だから、この問題を突き詰めていくと、「ウォルト・ディズニーの約束」や「メリー・ポピンズ」だけじゃなく、その周辺の映画の情報も補完して覚えられる。関連付けて覚えることで、枝のように連なって知識が広がっていくんです。
大谷
さすが映画検定ですね。よくある、「メリー・ポピン“ド”」みたいな、適当な選択肢ではないんですね。
松﨑
「サウンド・オブ・ミュージッ“コ”」とかね(笑)。そういうのじゃないんです。では、続けて3級の問題。
大谷
行けるかあ。ここからが本番ですね。