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EIGA, MON AMOUR

映画検定1級合格者の松﨑健夫さんと、映画検定(それも1級!)を今年はじめて受験する大谷ノブ彦さん。この、映画検定を基準にすると好対照な「映画検定天才塾!」コンビに、最終回である今回は、KINENOTEユーザーから届いた質問の数々(映画検定への思いから、好きな映画・監督まで!)を思い切ってぶつけちゃいます。

取材・文=小山田桐子

今回のテーマ:製作技術面から映画を学ぶ

編集部
さて、改めまして、大谷さん、映画検定天才塾を受講してみていかがでしたか?
大谷
メチャクチャ面白かったです。松﨑さんが何度も教えてくれたように、点じゃなくて線で映画を観られるようになると、「今、僕が感動しているこの作品もたまたま生まれたものじゃなくて、ちゃんと生まれるべくして生まれたんだ」って分かるから。新しい映画の楽しみ方を知れたと思います。年を重ねてきて感じるのは、いろんな映画を観ていると面白さの許容範囲がおのずと広がるということですね。若い頃は、“おもしろい”“つまんない”という二元論しかなかった。でも映画を観続けてきたら、全部面白くなってきちゃったんですよ。「DRAGONBALL EVOLUTION」とか、映画として面白いとは全く思わないんだけど、観終わった後、一緒に行った友達とあんなに盛り上がった映画はないですよ(笑)。そういう体験も映画の面白さのひとつじゃないかなって。
松﨑
僕も映画に対して否定するということはしません。映画って1千万円なり、1億円なり、ひとりの人間の生涯年収みたいな額を費やして作られていますから、つまらないものはないはずなんです……結果的にいろんなことが重なり、つまらなくなることもあるとは思うけれど(笑)。でも、それをけなすだけで終わってしまったら、やっぱり面白くない。映画検定を受けることは、ただ「つまらない」の一言で終わらず、いろいろ考えていくためのヒントになるんじゃないかと思います。
大谷
そう、映画検定を受験するために得る知識って、映画を観続けることと同様、面白さの許容範囲を広げることにつながるって思うんですよ。当時、どんな思いで映画を作っていたかなどの知識をインプットすれば、自分の狭い世界で“あり”“なし”と決めつけずに済む。ホント、この受験勉強で、楽しさの幅をまた少し広げてもらったなって思ってます。
編集部
とてもうれしい感想をありがとうございます。ちなみに、松﨑さんにとって大谷さんはどんな生徒さんでしたか?
松﨑
大谷さんの映画に対するリテラシーの高さはよく知っていましたけど、ほんとにいい生徒で(笑)。ちゃんと勉強した跡が、毎回の解答にも反映されていたと思います。以前、大谷さんに映画検定の参考書をプレゼントしたことがあったんですよ。「これさえ覚えたら、映画評論家になれると思います」と言いながら。今回の映画検定天才塾で、改めて感じましたね。ポイントさえ押さえれば、映画評論家になれる人です。映画には、これを知っていれば詳しくなるってポイントがあるんですよ。映画検定は、そのポイントを本当にうまく押さえている。深く知ろうと思ったら、そこからさらに掘ればいいだけ。映画に詳しくなるって一見、雲をつかむようなことですけど、基本的なポイントを押さえれば充分なんです。そうやって映画を知ることでおそらく、ひとつひとつの点ではなく線で、作品を観ることが自然とできるようになると思います。そうすると、ずっとたくさんのものが見えて、もっともっと知りたくなる。大谷さんを始め映画検定を受験する皆さんには、そのようにして自分自身が映画をより楽しみ、さらに他の人にもその楽しさを伝え、ぜひ映画ファンを増やしていってもらいたいですね。
編集部
お二人とも、半年間、ありがとうございました。大谷さん、1級の受験、楽しみながら、がんばってください!