男性      女性

※各情報を公開しているユーザーの方のみ検索可能です。

EIGA, MON AMOUR

映画検定1級合格者の松﨑健夫さんと、映画検定(それも1級!)を今年はじめて受験する大谷ノブ彦さん。この、映画検定を基準にすると好対照な「映画検定天才塾!」コンビに、最終回である今回は、KINENOTEユーザーから届いた質問の数々(映画検定への思いから、好きな映画・監督まで!)を思い切ってぶつけちゃいます。

取材・文=小山田桐子

今回のテーマ:製作技術面から映画を学ぶ

編集部
続いて、ちょっと映画検定とは直接関係ない質問なのですが……

今までに観た中で一番好きな映画を教えてください。

大谷
こういう質問をされた時には「ゴッドファーザー」って答えるようにしています。「映画ってめっちゃおもしれえな!」と気づいた初めての作品なので。
松﨑
僕も「ゴッドファーザー」って答えていますね(笑)。あの作品には映画のすべてが詰まっている。
大谷
観た回数が一番多い作品で言えば「プロジェクトA」ですね(笑)。ジャッキー世代なんで。あと、これはあんまり人に言ってないんですけど、「クール・ランニング」が好きなんです。今まで芸人を続けてきた中で、映画に背中を押してもらう時があるんです。その作品は何かと考えると、意外に「クール・ランニング」だなと思って。自分の中で再評価中なんです。
編集部
「クール・ランニング」、観ると元気が出る作品ですよね。さて、次の質問です。

好きな映画監督とその理由を教えてください。

大谷
僕はコーエン兄弟ですね。彼らのユーモアやナンセンスさが好き。“ウソ”というものを使って人を食ったことをやりながら、普遍的な何かを教えてくれるじゃないですか。超批評的なのに超普遍的っていうところがポップだと思うんですよ。世の中のすべての常識とか権威を笑い飛ばして、人間の業を描いている感じが、ちょっと落語っぽいし。「人間なんてその程度のものだ」と言っているような気がして、それがいいですよね。そういうのも、すべて“ウソ”を信頼しているからこそできることだと思うんです。“人を食ってウソを言う”っていうのが、映画の本質的な魅力だと僕は思っているので、そういう作品を作り続けているコーエン兄弟が好きなんです。
松﨑
僕は、一番好きな監督といえばヒッチコックですね。映画に興味を持つためのポイントが彼の作品には詰まっている。彼は2014年現在の時点から映画史を振り返った時に、ちょうど真ん中あたりで活躍している人なんですよ。過去の人たちの技術をちゃんと踏まえつつ新しいものを展開している一方で、彼が生み出したものは現代の人たちへきちんと継承されている。それから、ほぼすべての作品がサスペンスだという点。本当はいろいろ作りたかったと思うんです。でも、サスペンスという縛りの中で映画を作るという変わったことをやっていた。作品ひとつひとつの裏話も面白い監督ですし、ヒッチコックの映画を観れば、自然と映画好きになると僕は思っています。