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EIGA, MON AMOUR

映画検定の試験日・11/30まで、あと2か月。本連載での例題の出題もついにラストです。そんな今回のテーマは「映画製作技術」。キネトスコープ、シネマトグラフ、テクニカラー、イーストマンカラー……「何ソレ、呪文? 難しそう……」と危ぶむなかれ。以上のような必須単語の数々を、松﨑塾長がいつも通り、分かりやす~く解説してくれます。

取材・文=小山田桐子

今回のテーマ:製作技術面から映画を学ぶ

トーキー映画に関する記述で間違っているものを以下の中から選びなさい。

(ア)
長編映画としてトーキー第1号とされる1927年の映画「ジャズ・シンガー」は一部の台詞と歌の音声が聞こえる<パート・トーキー>だった。
(イ)
1928年には全編トーキーの「Lights of NewYork」が公開され、翌年公開されたミュージカル映画「ブロードウェイ・メロディ」はアカデミー作品賞に輝いた。
(ウ)
チャールズ・チャップリンは1940年の「独裁者」で初めて肉声を映画の中で発した。
(エ)
1952年の映画「雨に唄えば」では、サイレントからトーキーに移り変わる時期のハリウッドが舞台となった。
大谷
いや、全然わかんない。え~、チャップリンって「独裁者」の前に、何かでしゃべったのかなあ。でも、他も全部、合ってるっぽいんだよなあ。正解は……(ウ)……いや、(ア)!
松﨑
(ア)でいいですか? 最後、全問正解してほしいから、じっくり待ちますよ(笑)。
大谷
勘だと(ア)なんですけどねえ。でも、(エ)もどこがって言えないけど、なんかウソ臭いんだよなあ。もう、分からないので、(イ)にします。
松﨑
残念、正解は(ウ)でした。
大谷
え~!! マジですか! 「独裁者」の前にしゃべってたんだ。
松﨑
そうなんですよ。「独裁者」で初めて全編トーキーになったんですけど、4年前、36年の「モダン・タイムス」に歌うシーンがあるんです。
大谷
ああ、そういうことか。
松﨑
(ア)にあるように、トーキーが始まったのは、27年。つまり、チャップリンはトーキーの流れに10年以上抗っていたってことなんです。その上で、「モダン・タイムス」で初めて肉声を発したっていうのは結構有名なトピックスなんですよね。その辺の知識があれば、答えられる問題ですね。
大谷
はあ~、それは知らなかったなあ。
松﨑
この問題はトーキーが始まった27年から52年まで流れがポイントを押さえてまとめられているので、これだけ覚えておけば、トーキーについてはもう完璧です。さらに、(エ)の「雨に唄えば」を見れば、サイレントからトーキーへと移り変わる時代のハリウッドで、どのように映画が作られていたかということもよく理解できると思います。マイクの性能が悪くて、俳優さんが右を向いただけで声が拾えない、といった現場の様子が描かれているので。さて、ここまで3D、カラー、音、と技術的なことを語ってきたわけですけど、最後の1級では、映画の始まりについての問題を出したいと思います。