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EIGA, MON AMOUR

映画検定の試験日・11/30まで、あと2か月。本連載での例題の出題もついにラストです。そんな今回のテーマは「映画製作技術」。キネトスコープ、シネマトグラフ、テクニカラー、イーストマンカラー……「何ソレ、呪文? 難しそう……」と危ぶむなかれ。以上のような必須単語の数々を、松﨑塾長がいつも通り、分かりやす~く解説してくれます。

取材・文=小山田桐子

今回のテーマ:製作技術面から映画を学ぶ

1953年から1954年に日本で公開された映画のうち、
カラー作品として製作されたものを以下の中から選びなさい。

大谷
(即座に)いや、これは(イ)の「地獄門」でしょ。
松﨑
おっ、即答ですね。正解です。「地獄門」は大映が作った最初のカラー映画ですね。この頃から日本映画はだんだんとカラーになってくる。ちなみに、世界初のカラー映画は32年の「花と木」というディズニーのアニメーションです。長編のドラマものとしては、アメリカで35年に作られた「虚栄の市」が全編カラーの最初ですね。日本では、第二次世界大戦後しばらくして、やっとカラー映画が出だしたというのに、ハリウッドでは大戦前からカラーの映画を撮っていたわけです。
大谷
第1回の時も言いましたけど、戦時中、「風と共に去りぬ」を見た日本人が、そりゃ「アメリカに勝てるわけない」って思うわけですよね。
松﨑
3級のカラーに関する問題はこの程度なんですが、2級や1級になってくると、どういうカラーで撮影されたかということも問われるようになります。「イーストマンカラー」と「テクニカラー」の違いは大事なポイントです。
大谷
(熱心にメモを取りつつ)イーストマンに……テクニカラー……? どんな違いがあるんですか?
松﨑
初期のカラーは、三色分解といい、赤、青、緑の要素のフィルムで同時に撮影し、それを現像する際、1本に重ね合わせることでカラーに見せていた。それが「テクニカラー」です。
大谷
なるほど、色をそのまま記録するんじゃなくて、後から色を作り上げていたんですね。
松﨑
そうなんです。三色分解の問題ってよく出るので、「赤・青・緑」というのもしっかり押させておいた方がいいですね。「イーストマンカラー」は今も使われている技術で、三原色を三層に記録できるカラーフィルムを使用したカラーのことですね。この技術の開発により、カメラが小さくなったんです。3本のフィルムが1本になったわけですから。さて、2級では、さらに時代をさかのぼります。今度は音に関する問題です。