男性      女性

※各情報を公開しているユーザーの方のみ検索可能です。

EIGA, MON AMOUR

「映画運動」、それは、映画を学ぶ上では避けては通れないターム。ドイツ表現主義、ネオ・レアリズモ、ヌーヴェル・ヴァーグ、アメリカン・ニューシネマ、ドグマ95……映画史上の各時代においては、さまざまな映画運動が誕生してきました。一見、それぞれは独立しているように見えますが……果たして本当にそうなの? 教えて、分かるひとー! というわけで、松﨑先生による映画講座・第3回目を開講します。

取材・文=小山田桐子

今回のテーマ:映画運動の流れから映画を学ぶ

テレビのCMなどにも使われ、日本でも人気の『雨にぬれても』はアカデミー賞で主題歌賞に輝いた曲だが、それは何の主題歌だったか。

大谷
これは、(ア)「明日に向って撃て!」!
松﨑
さすがですね。正解です。
大谷
これは、アメリカン・ニューシネマですね。
松﨑
そうです。問題の選択肢にある映画はニューシネマの代表的な作品なんですけど、(エ)の「真夜中のカーボーイ」だけが、アカデミー作品賞になっているんです。
大谷
「真夜中のカーボーイ」ってタイトル、不思議ですよね。なんで「カウ」じゃないんだっていうね(笑)。
松﨑
水野晴郎さんが宣伝マン時代に名づけたって話ですよ。
大谷
へえ~、そうなんですね。いや、でも、「真夜中のカーボーイ」だけしか作品賞をとってないって意外ですね。「卒業」とか、とってそうですけど。
松﨑
「卒業」と「俺たちに明日はない」は同じ67年の作品で、候補になってるんですけど、作品賞をとってはいないんですよね。
大谷
でも、絶対当時、「俺たちに明日はない」ってすごい衝撃でしたよね。
松﨑
衝撃だったと思います。それまで「アメリカ映画といえばハッピーエンド」って言われていたのが、それらの作品の登場によって変わってきたわけですから。
大谷
それまでのアメリカ映画は、100%ファンタジーでしたもんね。
松﨑
新しいアメリカ映画を作った人たちの中には、例えばピーター・ボグダノヴィッチのように、元々映画の世界にいたのではなく、批評畑から出てきた人たちがいた。こうした流れが、先ほど4級でお話した70年代の動きにつながっているんです。では、このアメリカン・ニューシネマのもとになったのは何かと言えば、ヌーヴェル・ヴァーグなんです。というわけで、次の問題。ここからちょっと難しくなりますよ。