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EIGA, MON AMOUR

「映画運動」、それは、映画を学ぶ上では避けては通れないターム。ドイツ表現主義、ネオ・レアリズモ、ヌーヴェル・ヴァーグ、アメリカン・ニューシネマ、ドグマ95……映画史上の各時代においては、さまざまな映画運動が誕生してきました。一見、それぞれは独立しているように見えますが……果たして本当にそうなの? 教えて、分かるひとー! というわけで、松﨑先生による映画講座・第3回目を開講します。

取材・文=小山田桐子

今回のテーマ:映画運動の流れから映画を学ぶ

UFA(ウーファ)社で製作された作品と監督の組み合わせで、正しいものを選びなさい。

大谷
俺が知ってるのがね、“「カリガリ博士」”と“「吸血鬼ノスフェラトゥ」”と“フリッツ・ラング”っていう3つの単語だけなんですよ。でも、それぞれが組み合わされてるのを見た記憶がないから、(イ)~(エ)は違うんじゃないかなあ。消去法で、答えは(ア)です。
松﨑
お! 正解! この問題のポイントはUFAって何かってことですね。1930年代、ドイツが国策としてハリウッドみたいなスタジオを作ったことがあって、そこがUFA。
大谷
1930年代というとナチスが台頭する時代ですか?
松﨑
ナチスが政権を取る前の時代ですね。ナチスが実権を握るようになると、その影響を逃れるように、フリッツ・ラングも「嘆きの天使」のジョセフ・フォン・スタンバーグもアメリカに渡って映画を撮るようになるんです。彼らがドイツからやってきたおかげで、ハリウッドの表現は芳醇になった。当時のドイツは表現主義という芸術運動が起こっていて、暗部や影の目立つ映画が作られていた。それが、結局、フィルム・ノワール調の映画やギャング映画につながるっていう。
大谷
政治が引き起こした出来事が、他の国の表現に影響を与えるって面白いですね。
松﨑
実は、イギリス時代の(アルフレッド・)ヒッチコックもUFAに行って映画の助監督をしているんです。そして、(フランソワ・)トリュフォーがヒッチコックの本を作っていることからも分かるように、UFAから生まれた流れは、ヌーヴェル・ヴァーグにもつながっている。映画運動の影響下で新たなものが生まれ、それがまた新しいものを生み出す。そのようにして常に新しい映画が生まれ続けているというわけなんです。ということで、大谷さん、3回目にして全問正解という、すばらしい結果となりました。
大谷
いやー、うれしいですねえ。知っていたことがちょっと出てきたから、問題を解いていて楽しかったです。
松﨑
ということで、次回も是非パーフェクト目指して頑張ってください。
大谷
どうですかねえ、ジャンルによっては、一気に次回崩れるってパターンもありそうで(笑)。でも、問題集や過去問で勉強して、次回もパーフェクトを目指しますよ!
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