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映画検定
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目指せ、1億総映画オタク 映画検定天才塾 第1回

映画は、バクハツだ! 多くのひと(監督、脚本、撮影、出演etc.)が集まり、さまざまな芸術要素(映像、文学、音楽、衣裳etc.)を駆使してつくられる、ビッグバンさながらの総合芸術。だからこそ映画は、知れば知るほど面白い。

というわけで、KINENOTEでは、映画の塾を始めます。せっかくなので、秋に行われる映画検定の受験対策講座を開講します。塾長は、映検1級合格者の映画文筆家・松﨑健夫先生。「むずかしいものを噛み砕いて説明するのが好き」という言葉どおり、分かりやすい授業に定評あり。一方、生徒に名乗りをあげたのは、映画・音楽などのカルチャーについての、芸人らしからぬ博識ぶりを誇る大谷ノブ彦さん。映検受験の経験はないにせよ、そりゃあもう、今スグ優等生まちがいなし?

取材・文=小山田桐子

今回のテーマ:アカデミー賞から映画を学ぶ

1939年のアカデミー作品賞は「風と共に去りぬ」だが、この同年に全米公開されていない作品を選びなさい。

大谷
うわー、すごく難しい。これは、ヤマカンで行くしかない……「駅馬車」!
松﨑
……残念。
大谷
か~! 答え、なんですか。
松﨑
(ウ)「市民ケーン」。41年公開ですから、「風と共に去りぬ」よりちょっと後になります。この問題で特筆すべきなのは、「風と共に去りぬ」と「オズの魔法使」がカラーの映画であること。一方、「駅馬車」も「スミス都へ行く」などはモノクロの映画です。
大谷
ちょうど時代の節目なんだ。
松﨑
はい、モノクロからカラーになる節目の頃だったってことなんですね。1939年に「風と共に去りぬ」「オズの魔法使」、と覚えておくと、大体このあたりでカラー映画が出てきたってことも覚えられる。この頃のハリウッド映画ってほとんど、戦後になってからしか日本に入ってきていないんですよね。だから、キネマ旬報ベストテンに入っている年と、アメリカで公開された年が全然違う。キネマ旬報ベストテンで何位ということも知識として大事ですが、僕はその作品がアメリカでどういう時期に見られたのかって言うことも重要じゃないかって思っているんですね。
大谷
なるほどねえ。戦争中、中国などで「風と共に去りぬ」を見た軍人が「こんな映画が作れる国に勝てるわけがない」と思ったって話とか、クラーク・ゲーブルはすごい口が臭くて、女優さんたちにキスシーンを嫌がられた話とか、そういうことは知ってるんですけどね(笑)。そういう点の知識じゃなく、線で映画を知っていくってことが、検定を受ける上で必要だなあ、と痛感しました。
松﨑
線で映画を知るというのは大事なポイントですね。ということで、今回は初めて問題に挑戦していただきましたけど、いかがでしたか。
大谷
いや、面白いです。問題を通じて、映画史が分かってくるっていう感じで。しかし……これは1級への道はかなり険しいっすね。今日4級しか正解できませんでしたから。
松﨑
まあ、連載は始まったばかりですので、勉強していっていただいて。
大谷
これから、この連載で11月にかけていろいろ教えてもらって、ちょっと本当に1級受験するしかないですね。1級取って、映画の仕事を増やして、家族を幸せにします!
松﨑
おお! 宣言しましたね! というわけで、第1回はこれぐらいで。
大谷
次回もよろしくお願いします!
  • なかなか厳しいスタートにもかかわらず、1級合格を目標にかかげた大谷さん。普通なら諦めそうなところだけど、さすがは「負けても負けてもギブアップだけはしなかった男※」を自認するだけのことはあります。彼ならきっと、やってくれるはず!
  • ※「ダイノジ大谷のオールナイトニッポン」で語られた名ゼリフ