売れないモデルのミツワ(椎名英姫)の仕事は、折込チラシのモデルばかり。そんな仕事でもこなしていかなければならないことに、行き場のない苛立ちを感じている。あるパーティーで掴みあいのケンカをしたミツワは、泥酔して店から追い出され、トモノリ(川岡大次郎)と出会う。その夜、トモノリはミツワを介抱し、家まで送る。翌朝、目を覚ましたミツワは、トモノリの存在に驚く。トモノリは動揺しながらも状況をミツワに説明する。ミツワは一人トイレにこもり、昨夜の記憶をたどる。そんな奇妙な出会いから、ミツワとトモノリの奇妙な共同生活が始まる。数日後、エンリケという哭くことを忘れた犬も2人の生活に加わることに。そんな日々を過ごすうちに、ミツワは、彼女のファンであるという小川の計らいで、雑誌の専属モデルになるチャンスを掴む。トモノリはエンリケと一緒にミツワの帰りを待つ毎日。あるとき機嫌が悪いミツワから、エンリケを捨てるか、トモノリが出て行くかの選択を迫られ、トモノリは仕方なくエンリケを手放すことに…。一方、マンションの隣の部屋には、離婚したばかりのユイコ(南果歩)が住んでいた。ユイコは夜になると、体中をかきむしる。医者からは「離婚による精神的なもの」と診断された。熱烈なアプローチで迫るミヤケ(村田雄浩)、別れた夫の恋人マキは一方的にユイコの生活に侵入してくるが、ユイコの心は誰に対しても開かない。アレルギーー症状は悪化するばかり。母のトキコ(加藤登紀子)はそんなユイコを心配して訪ねてくるが、別れた夫の思い出話を聞かされ、再び切なくなるユイコ。思いを寄せる人に振り向いてもらえず、それでも必死に相手の心を求めている人々。みんな、満たされない思いを抱えながらも毎日を淡々と暮らしている。まるで寂しいことには慣れてしまっているかのように。そんな穏やかな日々の生活の中で、それぞれが何かを見つけようとしていた……