31歳の永井小巻(小西真奈美)は東京下町育ちの専業主婦。ある日、ダメ亭主の範朋(岡田義徳)に愛想を尽かした彼女は、娘の乃里子=“のんちゃん”(佐々木りお)を連れて、母フミヨ(倍賞美津子)のいる京島の実家に出戻る。のんちゃんを幼稚園に入れ、仕事探しを始めるが、主婦歴が長くキャリアのない小巻に世の中は甘くなかった。受ける面接は不採用続き。やむなく、のんちゃんの幼稚園の先生でもある同級生の玉川麗華(山口紗弥加)の紹介で、水商売のアルバイトを始める。だが、セクハラに遭って喧嘩した末、早々に辞めてしまう。なけなしの貯金も底をつき、焦りだけが空回り。自暴自棄寸前のところへ範朋が現れて、離婚には絶対に応じないと主張。小巻やのんちゃんの周りをうろつく。だがその一方で、初恋の同級生、川口建夫(村上淳)と16年ぶりに再会。互いに惹かれあっていく。そんな中、資格もこれといった職歴もない小巻の唯一の才能が開花する。それはお弁当作り。娘のために作ったのり弁が幼稚園で大評判になり、大人たちにも作るようになったのだ。あまりの美味しさから、タダでは申し訳ないと、お金を集めて持ってくる麗華。これに感激した小巻は、自分で“安くて美味しい最高のお弁当屋を開く”ことを決意。早速、小料理屋“ととや”の主人・戸谷(岸部一徳)に、弟子入りを志願する。困惑する戸谷だったが、熱意に負けて弟子入りを許可。やがて、料理だけではなく、働くことの意味や生きることについて、厳しくも温かい言葉で小巻を支えるようになってゆく。食品衛生責任者免許も取得し、目標に向かって奮闘する小巻だったが、店をオープンするための資金が貯まらない。困った小巻に、戸谷さんがお昼だけ“ととや”を貸してもいいと申し出る。さらには、建夫が“一緒にお弁当屋をやらないか”とプロポーズ。話が急展開する中、のんちゃんがいなくなったと幼稚園から連絡が入り大騒動に発展する……。