家庭では酒乱の父の暴力に悩み、学校ではクラスメイトの滑川(三上真史)らの執拗ないじめから逃げ回る。そんな情けない日々を送る高校生の敦(桐谷健太)。友達のいない敦が話せる場所と言えば、パソコンの中の掲示板だけだった。もう自分には生きてる価値がない…。悲惨な人生に終止符を打とうと決めた敦は、首を吊るつもりで薄暗い廃墟に忍び込む。ところが、天井から吊り下げた紐に手をかけたそのとき、誰もいないと思っていた屋内から、突如長ランを着こんだ奇妙な三人組が現れた。それは伝説の不良、泰三(寺島進)、鉄治(菅田俊)、淳一(木下ほうか)の三人だった。しかし、どこからどう見てもオッサンの三人。だが、そのとてつもないオーラとキレの良いかけ合いに圧倒された敦は、ひとまず自殺を思いとどまり、それぞれに男らしく自信に溢れた三人を慕って、放課後は廃墟の男塾に通うことに。三人の助言に従いリーゼントをバッチリ決めて登校を始めた敦を周囲は冷やかすが、同じクラスの晴香(中村映里子)だけは笑わずに声をかけてくれた。とにかく敦は、本物の男になるべく小さな一歩を踏み出したのだ。そんな折、滑川たちから追われる敦の逃げ足の速さに目をつけた体育教師の石橋(渡辺裕之)が、敦を強引に陸上部へと引き入れる。最初は戸惑ったものの、走ることに目覚めた敦は、少しずつ自分に自信をつけ、これまで見ないようにしてきた周りの問題にも目を向け始める。順調に記録を伸ばして競技会に出場することになった。優勝したら三人のチームの一員として認めてほしいという敦の言葉に、泰三らは複雑な思いを抱えつつ、渋々OKする。約束を取りつけ張り切っていた矢先、敦は妹の交際相手、マー君(遠藤憲一)から暴行され、足に怪我を負ってしまう。追いうちをかけるように滑川から泰三らの秘密について知らされた敦。なんと三人組の正体とは…?! 競技会本番はすぐ目の前、動揺する敦だったが、男になることを教えてくれた三人のため、そして自分自身のため、スタートラインに立つことを決意する……。