工場閉鎖で失職した工員・五十嵐。ざわついた心を抱えてあてもなく歩き始めた彼は、様々な出来事に遭遇していく。殺人犯と間違われて逮捕されたり、釈放後、火事で人命救助したかと思えば、車に轢かれて入院。そこでお爺さんの幽霊と会い、彼の家で宝くじ一等当籤でショック死した彼の妻を発見すると、その後、ちゃっかりそれを戴いて換金。しかし、火事で焼け出されたシングルマザーに賞金を横取りされ、更にリストラされたサラリーマンの自殺現場や、癌告知され自分を見失った中年男にも出くわした。こうして、たった二日のうちに一生に一度あるかないかの体験をした五十嵐は、翌日、家へ帰って行く。そんな彼を待っていたのは、平凡だが幸せな家庭であった。