父の転勤で、北海道から東京へ引っ越してきた14歳の少女・あゆみは、急性リンパ性白血病という難病に冒され、入院を余儀なくされる。生来明るい性格の彼女は、周囲を心配させないように笑顔を振りまこうと努めるが、薬の副作用で髪が抜け落ちてからはひどく落ち込むことが多くなり、見舞に来てくれたクラスメイトに顔も合わせられなくなってしまう。夏休み。病状が安定していたあゆみは、クラスメイトと一緒に担任の野本先生の実家のある下田での合宿に参加することになる。髪のない恥ずかしさを押さえ、下田へ向かうあゆみ。ところが、そんな彼女を迎えてくれたのは、丸坊主になったクラスメイトたちだった。クラスメイトのひとり・森山のアイデアで、全員がスキンヘッドにしたのだ。彼らの友情に感激したあゆみは、そこでかけがえのない時間を過ごす。ところが2学期が始まったある日、懸命の治療も空しくあゆみは息をひきとってしまう。彼女の墓は、彼女の大好きだった北海道のコスモス畑に建てられた。そして、生前にあゆみと北海道のコスモスを見に行く約束をしていた森山の姿が、あゆみの墓前にあった…。