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略歴

1929年5月4日生まれ。ベルギー出身。幼い頃よりバレエを学びやがてブロードウェイ作品『ジジ』など舞台に進出。ウィリアム・ワイラー監督の目にとまり主役に抜擢された「ローマの休日」で第26回アカデミー賞主演女優賞を受賞し、一躍大スターに。「麗しのサブリナ」(54)「ティファニーで朝食を」(61)「マイ・フェア・レディ」(64)などに出演。可憐でエレガントな彼女は『永遠の妖精』と呼ばれ広く愛されている。俳優メル・ファーラーおよび精神科医アンドレア・マリオ・ドッティとの間に子を設けた。一方、第二次世界大戦時に苦難を味わった経験から人道支援に尽力し、1989年からはユニセフ親善大使を務めた。1993年1月20日、63歳で他界。

ここがすごい!

グラマラスな女性がもてはやされていた時代において華奢でキュートな風貌のオードリーの登場は革新的だった。「ローマの休日」で見せたローマの街歩き回るアン王女の姿は新しい時代を象徴し、男女問わず世界中で愛された。オードリーはファッション・アイコンとしての人気も根強い。「麗しのサブリナ」以来親交を持ったファッション・デザイナーのユベール・ド・ジバンシィとは多くの作品で組み、ジバンシィのミューズとなる。とりわけ「ティファニーで朝食を」での黒のロングドレス姿は世界的に有名。また、アカデミー賞に加え、優れた演劇人に贈られるトニー賞、テレビ賞のエミー賞、音楽賞のグラミー賞に輝いた数少ない一人でもある。

これは必見 KINENOTEおすすめの3本
  • ローマの休日
  • 古都ローマ、物語、何と言っても瑞々しく可憐なオードリー、すべてが美しい不朽の名作。お転婆で一日限りの恋を通し大きく成長していく王女に、新聞記者ともども魅了される。本作が後世へ与えた影響は計り知れない。
  • レビューから
  • ヘップバーンの美の、いや古今東西、女優美の到達点と言っても過言ではない。最高だ。
  • 昼下りの情事
  • プレイボーイの富豪を相手に恋してしまい、張り合おうと背伸びする娘心を演じるオードリー。駆け引きして富豪を振り回す姿も、彼女が演じるといじらしい。別れ際に心とは裏腹に口では強がるラストシーンが涙を誘う。
  • レビューから
  • 毛皮のコートを持ち出して精一杯背伸びをして見せるアリアンヌの純粋さはやはりヘップバーンでないと出せないだろう。他の女優ではたちまち下心の方が上にきてしまいそうだ。
  • シャレード(1963)
  • 殺された夫の真の姿が次々に明かされていく未亡人を、コケティッシュな魅力たっぷりに演じている。くるくると変わる表情や洗練された台詞のやりとりが楽しい。シーンごとに変わるジバンシィの衣装も話題になった。
  • レビューから
  • 何といってもヘップバーンの魅力に溢れている。「ローマの休日」から10年を経て、少女のようなあどけなさが消え、大人の色香を漂わせ、美しさにさらに磨きがかかり、洗練された女性に成長している。

略歴

1930年6月19日生まれ。アメリカ・ウィスコンシン州出身。アメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アートで演技を学び、そこで知り合った監督・俳優のジョン・カサヴェテス監督と結婚。ブロードウェイで成功を修めたのち、「The High Cost of Living」(58/未)で映画に進出。ジョン・カサヴェテス監督作品に多く出演し、「こわれゆく女」(74)では第32回ゴールデングローブ賞ドラマ部門主演女優賞を、「オープニング・ナイト」(77)では第28回ベルリン国際映画祭銀熊賞(女優賞)を獲得するなど高い評価を得た。息子のニック・カサヴェテスや娘のゾエ・カサヴェテスも映画監督の道へ進み、彼らの作品にも出演している。

ここがすごい!

アメリカのインディペンデント映画の父と言われるジョン・カサヴェテス監督の作品を語る上では欠かせないミューズのような存在であり、ジーナもまた彼の作品でとりわけ評価が高い。「グロリア」(80)で演じたマフィアから子供を守ろうとする中年女性をはじめたくましい女性を演じることが多いが、強さ一辺倒ではなく、心の揺らぎや不安定さも丁寧に表し奥深さを出している。年に抗うのではなく円熟みを増してゆき、「きみに読む物語」(04)の認知症を患った老女や「ブロークン・イングリッシュ」(07)の母親役での存在感も光る。84歳の今もなお精力的に数々の作品に出演している。

これは必見 KINENOTEおすすめの3本
  • オープニング・ナイト
  • ファンの死を目撃して以来精神的な不安定さを増していく大女優を演じ、第28回ベルリン国際映画祭銀熊賞(女優賞)を受賞。本作の劇中劇では夫のジョン・カサヴェテスと夫婦役を演じ、二人の応酬は凄みを感じさせる。
  • レビューから
  • 主人公の大女優マートル・ゴードンがそのままジーナ・ローランズにかぶる。老いた役を演じることに対する恐れ、ファンの少女の死=若さの喪失による錯乱、飲酒癖などから、フラフラする大女優を、彼女は見事に演じている。
  • ラヴ・ストリームス
  • ジーナ演じる夫や娘を愛するあまりに狂気の世界へ陥る姉と、人気作家の弟の愛を求める姿が衝撃的な人間ドラマ。ジョン・カサヴェテスの主題が凝縮しており、彼の作品にはジーナが欠かせない存在であることが伺える。
  • レビューから
  • 人が人を「愛する」ことの喜びと難しさ、そして、それに伴う安らぎと苦痛といったものを、相棒G・ローランズの真骨頂でもある「こわれゆく女」を通して表出したJ・カサベテスの「愛する」ということのすべてについての物語。
  • グロリア(1980)
  • 友人から預かった子を守るため銃を片手に戦うジーナの、ハード・ボイルドさがたまらないアクション作品。ただならぬ気迫と威厳が画面から溢れ出る。毛嫌いしていた少年と軽口を叩きながら絆を深めていく様もかっこいい。
  • レビューから
  • 大好きな映画です。なんといっても、ジーナ・ローランズの拳銃をぶっ放す姿が、この上なくカッコいい。男の側のハリー・キャラハンと双璧をなす存在だと思います。

略歴

1928年1月23日生まれ。フランス出身。フランス国立高等演劇学校(コンセルヴァトワール)を経て、1948年には国立劇場コメディ・フランセーズの最年少女優となる。映画には1948年より出始めた。ルイ・マル監督やフランソワ・トリュフォー監督らの作品で鮮烈な印象を残し、ヌーヴェルヴァーグを代表する女優となる。1970年代後半からは「ジャンヌ・モローの思春期」(79)など監督業にも進出。1980年代以降は存在感のある脇役を演じることが多かったものの、2012年の「クロワッサンで朝食を」では撮影当時84歳にして主演を張った。私生活では俳優のジャン・ルイ=リシャールや映画監督ウィリアム・フリードキンらと結婚したが、いずれとも離婚。

ここがすごい!

新鋭ルイ・マルとの出会いは彼女の大きなターニング・ポイントとなり、「死刑台のエレベーター」(57)で夜の街をさまようヒロインを演じて以降、彼女のキャリアも花開いていく。「雨のしのび逢い」(60)では第13回カンヌ国際映画祭女優賞を獲得。名作で確かな演技力を見せ「ルイ・マルを愛し、トリュフォーから崇拝され、ピエール・カルダンに一目惚れし、オーソン・ウェルズと笑った」と言われるまさに伝説的な大女優であるが、作品の大小に関らず自らのセンスで出演作を選んでいった。映画界への貢献を称えられ、2000年にはベルリン国際映画祭金熊名誉賞が、2003年にはカンヌ国際映画祭で名誉賞であるパルム・ドール・ドヌールが授与された。

これは必見 KINENOTEおすすめの3本
  • 恋人たち
  • どこか不満げな顔をした裕福な人妻の不倫を描いたロマンス。終始不安定な感じがつきまとい、ジャンヌは移ろいやすい人の心そのもののよう。その心模様を当時ジャンヌの恋人だったルイ・マルが巧みに掬い取っている。
  • レビューから
  • 駆け落ちの途中に立ち寄ったカフェにいた子供に、わが子の面影を探すジャンヌ・モローの表情がたまらなくいい。一瞬現実に引き戻されそうになり、すぐにまた至福に満たされる彼女の表情は恋の儚さと激しさを見事に表わしていた。
  • 突然炎のごとく(1962)
  • 二人の文学青年と一人の奔放な女との愛を描いた、躍動感に満ちたフランソワ・トリュフォーの代表作。己の情熱に忠実に行動するファム・ファタール像は、のびやかな魅力を持つジャンヌ・モローだからこそ成立した。
  • レビューから
  • ジャンヌ・モローの奔放さたるや。男は追う、女はひと時の男に体を委ねる。その繰り返し。男が追うのをやめたとき、関係は逆転する。もう追い回されたくないと思っても、なんだか気になって放っておけない。
  • 黒衣の花嫁
  • 最愛の人を死に至らしめた男たちへの復讐に向かう花嫁を描いた流麗なサスペンス。冷徹な視線を向けるジャンヌは強い意志の塊のよう。クエンティン・タランティーノ監督の「キル・ビル」のモチーフにもなった。
  • レビューから
  • サスペンス物といえばそれで終わりですが、すごく切ないなぁ~と思いました。結婚式で愛する夫を失い、しかもそれが遊びで・・・、なんて。 ここまで復讐を完璧にやってのけるというのは、フランス映画ではないような感じでした。

略歴

1907年5月12日生まれ。アメリカ・コネティカット州出身。舞台を経て、1932年に「愛の嗚咽」で映画デビュー。1930~1940年代のハリウッド黄金期はもとより1994年の「めぐり逢い」まで卓越した演技力を見せ続け、映画史にその名を刻んだ。個性と知性を併せ持つ大女優でありながら飾らない人柄で、人気を博す。自ら出資し主演、大盛況となった舞台の映画化権を持ち、映画会社との交渉末制作に至ったのが「フィラデルフィア物語」(40)。新局面を切り拓いた。1928年に学生時代に知り合った男性と結婚するも6年で破綻。9度に渡り共演したスペンサー・トレイシーとは結婚こそしなかったものの長年パートナー関係にあった。2003年6月29日、96歳で他界。

ここがすごい!

アカデミー賞には12回もノミネートされ、うち「勝利の朝」(33)、「招かれざる客」(67)、「冬のライオン」(68)、「黄昏」(81)で主演女優賞を獲得。現在まででノミネーションの数はメリル・ストリープの18回に次いで2位、演技部門で4回受賞したのはキャサリンだけ。しかし公の場に出ることを嫌っていた彼女は、プレゼンターとして出席したのを除けば一度も授賞式には出席したことがない。長きに渡り映画界へ貢献し続け、1999年には米国映画協会(AFI)が選出した『最も偉大な女優50選』の第1位に輝いた。また、独自のスタイルを通すことでも知られ、パンツ・ルックを貫くその姿は自立した女性の象徴として多くの女性たちに支持された。

これは必見 KINENOTEおすすめの3本
  • 黄昏(1981)
  • 不器用な夫を献身的に愛し娘との間を取り持つ妻を包容力豊かに演じ、4度目となるアカデミー賞に輝いた。撮影の裏で、映画さながら実際に確執を持っていたヘンリー&ジェーン・フォンダが和解できるよう手助けした。
  • レビューから
  • ヘンリー・フォンダ、キャサリン・ヘップバーン、ジェーン・フォンダ・・・3人の実力を思い知らされます! 物語は淡々と流れて行きますが、映像が凄く綺麗で最初から最後まで穏やかな気持ちで観てられます。
  • 招かれざる客
  • 白人上流階級の妻を演じており、突然娘が黒人の恋人を連れ帰ってきたことへの当惑や娘の幸せを願ってやまない母心が伝わってくる。パートナーだったスペンサー・トレイシーとは息ぴったり。最後の共演作となった。
  • レビューから
  • 今とは違い、この人種問題を描けるのはこの時代ならでは。キャサリン・ヘップバーンの戸惑いから娘を受け入れる変遷がさすがに上手い。また、彼女の連れ合いのスペンサートレイシーがこの映画の後すぐ亡くなったとは、悲しいかな…。
  • 冬のライオン
  • 後継問題をめぐり対立する一族内での愛憎に満ちた言葉の応酬は、まさにピーター・オトゥールら名優たちとの演技バトル。キャサリンは噛みつかんばかりの気迫に満ちており、演技の女王と呼ばれたのもうなずける。
  • レビューから
  • 映画の内容よりもキャサリン・ヘップバーンとピーター・オトゥール、その他キャストの演技バトルになっているのに目がいってしまう。キャサリン・ヘップバーンに負けてなるものか!!!と皆肩に力入りすぎの感も。

略歴

1969年5月14日生まれ。オーストラリア出身。オーストラリア国立演劇学院で演技を学び、卒業後は舞台で活躍。シドニー劇場批評家協会賞創設以来初となる新人女優賞と主演女優賞の同年ダブル受賞を果たした。「Paradise Road」(97/未)でハリウッドに進出。若き日のエリザベス1世を演じた「エリザベス」(98)が大ヒットし、一気にスターダムを駆け上がった。以後も「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ(01・02・03)や「ライフ・アクアティック」(05)、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」(08)など様々なジャンルの映画で鮮烈な印象を与える一方、舞台にも貢献し続けている。1997年に劇作家アンドリュー・アプトンと結婚し、3人の息子を授かった。

ここがすごい!

「エリザベス」で初めてノミネートされて以来アカデミー賞の常連で、「アビエイター」(04)で助演女優賞を、「ブルージャスミン」(13)では主演女優賞を獲得。第80回アカデミー賞では前作に続きエリザベス女王を演じた「エリザベス:ゴールデン・エイジ」(07)と歌手のボブ・ディランを演じた「アイム・ノット・ゼア」(07)で主演・助演同時ノミネートされるという快挙を成し遂げた。そのほか「あるスキャンダルの覚え書き」(06)で助演にノミネート。優雅で少し硬質な雰囲気をまとう中、確かな演技力に裏打ちされた深みのある表現は作品に説得力をもたらし、実在の人物から妖精や超能力者、男性、悪役など幅広い役柄をこなしているのも特徴的。

これは必見 KINENOTEおすすめの3本
  • ブルージャスミン
  • 虚飾に満ちた化けの皮が剥がれていく元セレブリティを演じアカデミー賞主演女優賞を勝ち取った。ウディ・アレン監督をもって天才と言わしめたケイトは優雅な雰囲気から狂気を滲ませ、その鬼気迫る演技に背筋が凍る。
  • レビューから
  • 彼女が真面目に壊れた役を演じることで、作品としてシリアスの上にコメディ要素がうまくエッセンスとして加わってくる。アレンの映画は女優が輝くことが多いのですが、まさに今回のアレン映画のヒロインとして相応しい演技力を見せていると思います。
  • エリザベス
  • 翻弄された娘時代から強い意志を持った女王となるまでの成長していく姿を演じきり、観る者を引きこんでいく。国のために生きることを誓う女王の気高さをたたえた美しさは、この時のケイトにしか出せないもの。
  • レビューから
  • 女性としての幸せを放棄して絶対君主としての道を歩み始めるまでが力強く描かれる。この間のエリザベスを演じるケイト・ブランシェットの変貌ぶりが見ごたえがある。恋を夢見るありふれた娘が映画のラストには堂々たる女王に生まれ変わる。
  • アビエイター
  • 本ランキング4位に入ったキャサリン・ヘップバーンをしぐさやアクセントの細部に至るまでそっくりに生き生きと演じ、アカデミー賞を獲得。破天荒な実業家との恋模様は彼が栄華の頂点へ突き進んでいることを表象。
  • レビューから
  • 「アビエイター」を見て、改めてキャサリン・ヘップバーンという俳優に興味をいだいた

略歴

1926年6月1日生まれ。アメリカ・カリフォルニア州出身。不遇の子供時代を経て、モデル業に就く。「嵐の園」(47)でデビュー後しばらくは鳴かず飛ばずの状態だったが、「ノックは無用」(52)や「ナイアガラ」(53)で脚光を浴びるように。「ショウほど素敵な商売はない」(54)をはじめ数々の映画で披露される甘い歌声とセクシーさで世の男性を骨抜きにした。中でも「七年目の浮気」(55)でのスカートがめくれるシーンは有名。整備工や元・野球選手ジョー・ディマジオ、劇作家アーサー・ミラーと結婚するが、いずれとも離婚。誕生パーティで彼女が歌を捧げたケネディ大統領との関係も噂された。1962年8月5日、36歳の若さで突如この世を去る。

ここがすごい!

とろけるような目に真っ赤な唇、口元のほくろ、グラマラスな体型で腰を振って歩く彼女は、まさに永遠のセックス・シンボル。大量の睡眠薬を服用したことによる中毒死とみられるが死の真相が明らかになっておらず、現在も自殺説、陰謀説など様々な憶測が飛び交っている。セクシーさやスキャンダラスな面に目が行きがちだが、俳優養成所アクターズ・スタジオに通い演技の勉強を重ねており、「お熱いのがお好き」(59)では第17回ゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞した。「ノーマ・ジーンとマリリン」(96)、「マリリン 7日間の恋」(13)など彼女を扱った作品も多い。

これは必見 KINENOTEおすすめの3本
  • お熱いのがお好き(1959)
  • 玉の輿を狙う無邪気なウクレレ奏者を演じた本作ではコメディエンヌぶりを発揮し、彼女の溢れだす色気とキュートな魅力がこれでもかと詰まっている。劇中で歌う『I wanna be loved by you』は、マリリンを代表する曲となった。
  • レビューから
  • 脇を固める俳優に恵まれているとはいえ、モンローが実に魅力的に写ります。彼女がステージで歌う有名なシーンがここに出てきますが、そのふんいきや迫力は全く色褪せない。そこにマリリン・モンローという女性の不思議な魅力を感じます。
  • 紳士は金髪がお好き(1953)
  • 金とダイヤに目がなく小ずるくちょっと頭の悪い女という下手したら嫌な人間に映る役だが、彼女が演じると明るく放っておけない女になる。ジェーン・ラッセルとともにおしゃれさを感じさせる息の合った演技を見せる。
  • レビューから
  • Marilynのおバカ演技っぷりが笑えます。(笑)わたしはMarilyn映画の中では一番おもしろくて好きです。
  • 七年目の浮気
  • 結婚に飽きが出てきた男の前にマリリンが現れ、あらぬ妄想をかきたてる。地下鉄の通気口に立つマリリンのスカートが舞い上がるシーンは、映画史上屈指の名シーン。セックス・シンボルという地位を不動のものにした。
  • レビューから
  • あまりにも有名で、女優ということも忘れる(笑)様な人だったのですが。彼女がそばにいたらやはり男は妄想に走りますよね。彼女の魅力を分かりやすく描いた作品のように思えます。

略歴

1943年10月22日生まれ。フランス、パリ出身。俳優の両親の下に生まれ、10代の頃から幾つかの映画に端役で出演し、1960年に本格デビュー。1962年、交際中だったロジェ・バディムの「悪徳の栄え」(62)で大注目され、「シェルブールの雨傘」(64)のヒットで世界的な人気を掴んだ。妖艶さをたたえた美貌とともに演技力にも磨きがかかり、その後も多数の作品に出演。「インドシナ」(92)では米アカデミー賞主演女優賞にノミネート。「ヴァンドーム広場」(98)でヴェネツィア国際映画祭女優賞、「8人の女たち」(02)では競演女優たちとともに数々の映画賞に輝いた。08年のカンヌ国際映画祭で功労賞を受賞し、70代に入った現在もなお衰えぬ美貌で活躍を続けている。

ここがすごい!

清楚な乙女から妖艶な熟女へ。“フランス映画の至宝”と呼ばれた美貌とエレガントさで長年、大輪の花を咲かせ続ける大女優には、スクリーンでまとうファッションが今なお注目される“ファッション・アイコン”という一面もある。『デザインの際にいつもドヌーヴをイメージしている』と公言したイブ・サンローランが衣装提供した「昼顔」(67)では、優雅な着こなしで“女”の性を演じ切った。一方、「シェルブールの雨傘」(64)にオマージュを捧げた「しあわせの雨傘」(10)では、上下赤のジャージ姿を披露するお茶目な一面も。過去のイメージにとらわれず、若い監督の作品にも出演。貫録の中にも余裕と遊び心を感じさせながら、第一線を走り続けているのだ。

これは必見 KINENOTEおすすめの3本
  • ロシュフォールの恋人たち
  • 実姉フランソワーズ・ドルレアックとともに運命の恋を夢見る双子姉妹を演じたミュージカル。海辺の街を舞台に、お揃いのカラフルなファッションで愛や夢を歌い踊るドヌーヴが可愛らしく、若さと至福感あふれる作品。
  • レビューから
  • 素敵な恋を夢見る美人姉妹・・・・ドヌーヴとドルレアックは実際の姉妹。(双子ではないけど) 音楽が華やかだし、衣装もカワイイのでこの2人が歌い踊るシーンはすごくよかった。
  • シェルブールの雨傘
  • 戦争によって恋人と引き裂かれる傘屋の娘を演じ、世界的な人気を得た出世作。全セリフが歌になっており、甘く切ないメロディに乗せて愛する若者への想いや哀しみを表現。清楚でエレガントな魅力全開のミュージカル。
  • レビューから
  • 何といってもドヌーヴの出世作。本当に輝いていて、西洋の乙女の美しさ満点。いろんな色彩の衣装をどれも上手く着こなしているし、アップにした髪型が若々しくて可愛らしい。
  • 昼顔
  • 貞淑な妻と昼間だけの娼婦という女の二面性をエロティックに体現。幼少期のトラウマから妖しい妄想を繰り広げ、虚無感をたたえながら男たちに身を任せるドヌーヴ。当時24歳とは思えない淫靡な美しさに目が釘付けに。
  • レビューから
  • 本作のカトリーヌ・ドヌーヴの美しさは息を呑みます。凄くはなかくて、危うくて…。

略歴

1962年11月19日生まれ。アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルス出身。2歳でCM出演。子役としてTV等で活躍した後、72年に映画デビュー。マーティン・スコセッシの「タクシードライバー」(76)で13歳の娼婦を鮮烈に演じ、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされる。一時映画界から距離を置き、イェール大学で学業に専念。復帰後は「告発の行方」(88)、「羊たちの沈黙」(90)で2度の米アカデミー賞主演女優賞に輝き、名実共に米国のトップ女優となった。「リトルマン・テイト」(91)で映画初監督。自身が設立した映画製作会社エッグ・ピクチャーズ・プロダクションの第1回作品「ネル」(94)以降はプロデューサーとしても才能を発揮し、活動の幅を広げている。

ここがすごい!

“子役は大成しない”というジンクスを打ち破ったひとり。14歳のとき「タクシードライバー」でアカデミー賞助演女優賞にノミネート。天才少女として世界的に注目を集めるが、同作で彼女の熱狂的なファンになった男がレーガン大統領暗殺を企てる事件が発生。一時休業する間、イェール大学で知性と感性を磨き、復帰後は2度のオスカーに輝く実力派女優に成長を遂げた。IQ132と言われ、フランス語も堪能。「ネル」では独自で生み出した“ネル語”のセリフを話した。男に媚びない強さを秘めた女性を演じることが多いが、自身はフェミニストとして活動し、同性愛者であることをカミングアウト。2014年4月にはパートナーの女性と同性結婚した。

これは必見 KINENOTEおすすめの3本
  • 羊たちの沈黙
  • 猟奇殺人犯を追う若きFBI訓練生を熱演。獄中の天才精神科医に翻弄される主人公の心理を絶妙に表現し、アンソニー・ホプキンスを相手に緊迫感あふれる演技合戦を展開。2度目のアカデミー賞主演女優賞を獲得した。
  • レビューから
  • 山の中をジョディ・フォスター扮するクラリスがトレーニングしているオープニングのシーンが好きです。知的で努力家な主人公振りがとてもわかりやすい。
  • タクシードライバー
  • あどけなさの中に妖しい色気を漂わせ、NYの街角に立つ少女娼婦を演じたジョディは当時14歳。映画の中でも鮮烈な存在感を残し、全米批評家協会助演女優賞など高評価を得た。ジョディいわく“人生を変えた作品”。
  • レビューから
  • まだ少女のジョディフォスターが演じる売春婦は、妖しく魅力的。今ならクリスティーナ・リッチかな。
  • 告発の行方
  • ジョディが演じたのはレイプ被害者の女性。精神的にタフなレイプシーンにも体当たりで挑み、裁判を通じて男たちに反旗を翻す“闘う女”を力演。見事、アカデミー賞主演女優賞に輝き、実力派女優への道を切り拓いた。
  • レビューから
  • この作品は彼女にとっても冒険だったでしょう。アカデミー賞を受賞したから、という意味ではなく、プロの職業俳優(古いなあ)として生きてゆくための決断の映画だったんですね。

略歴

1955年6月27日生まれ。フランス、パリ出身。14歳の時にスカウトされて女優の道を歩み始め、1970年に映画デビュー。コメディ・フランセーズに所属し、舞台でも活躍する一方で、トリュフォーの「アデルの恋の物語」(75)で主人公を演じ、米アカデミー賞主演女優賞にノミネートされるなど高い評価を得た。1981年の「カルテット」と「ポゼッション」でカンヌ国際映画祭女優賞を、1988年の「カミーユ・クローデル」ではベルリン国際映画祭女優賞を受賞。セザール賞の主演女優賞はこれまでにフランス映画史上最多の5回受賞しており、名実共にフランスを代表する女優。

ここがすごい!

70年代のデビュー当時からほとんど変わらない容姿。むしろ歳を重ねるにつれて年齢不詳の愛らしさが特徴的で、「可愛いだけじゃダメかしら」(93)ではアラフォーながら24歳のヒロインを違和感なく演じて話題を呼んだ。一方で、肌の露出や美貌を崩すような役にも果敢に挑み、激情的な愛や狂気を演じたら天下一品。ともに壊れゆくヒロインを演じた「アデルの恋の物語」(75)と「カミーユ・クローデル」(88)では米アカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、その演技力は国際的に高い評価を得ている。本国のセザール賞では最多5回の主演女優賞に輝き、大女優の貫録も。カンヌ国際映画祭ではコンペディション部門の審査員長を2度務めている。

これは必見 KINENOTEおすすめの3本
  • アデルの恋の物語
  • 文豪ヴィクトル・ユーゴーの娘の激情的な恋を描いたトリュフォー作品に抜擢されたアジャーニ。情熱の余り狂気に陥ってゆくアデルを当時まだ10代とは思えぬ情念で演じ切り、彼女の美しさと存在感を世に知らしめた。
  • レビューから
  • 超美形のイザベル・アジャーニが演じるものだから美談になってしまうという不思議な作品。
  • ポゼッション(1980)
  • オカルト色の強い作品で、アジャーニが演じるのは自らの妄想が生んだ魔物に欲情する人妻。美貌を崩すのも厭わず、愛に憑かれた姿を怪演する一方、夫の浮気相手となる教師も二役で演じ、振れ幅の広さを披露している。
  • レビューから
  • イザベル・アジャーニ、すっごく美人なんだど、何かに憑りつかれたように不気味、どんどんその凄味が増していく。体当たりの演技がエロすぎで、圧倒的に美しく恐ろしい。
  • 王妃マルゴ
  • 16世紀フランスで愛に生きた実在の王妃マルゴは、アジャーニが得意とする激情的なヒロイン。知性と気品を備えながら愛に奔放な女性を熱演。宗教紛争に絡む愛憎劇の中で、男を破滅に導く美貌と妖艶さが際立っている。
  • レビューから
  • 愛する人の首を前にして、涙ひとつこぼさなかった彼女に、一番威厳を感じた。

略歴

1932年4月27日生まれ。フランス、パリ出身。両親ともに俳優の家に生まれる。14歳のときにアンリ・カレフに見出され、「密会」(46)で映画デビュー。その後、「火の接吻」(49)に主演。「モンパルナスの灯」(58)ではモディリアーニの妻ジャンヌ・エビュテルヌを演じ、その美しさから世界的な注目を集める。以降、フェリーニ監督作「甘い生活」(60)、「81/2」(63)でマストロヤンニと共演。1966年、日本でも大ヒットした「男と女」で米アカデミー主演女優賞にノミネート、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞で女優賞に輝き、人気を決定的なものにする。70年の結婚を期に一線は退くが、復帰後「SALTO NEL VUOTO(A LEAP INTO THE VOID)」(80)でカンヌ国際映画祭の女優賞を受賞。

ここがすごい!

世界的ヒットとなり、ゴールデングローブ賞主演女優賞に輝いた「男と女」(66)で“大人のいい女”の代名詞となったエーメ。アンニュイな美貌は勿論のこと、何気ない仕草や着こなしにもフランス女優らしい色香が沸き立っていた。思わず目を奪われるルックスはクリエイターを刺激し、ロミオとジュリエットを翻案した「火の接吻」(49)は彼女のために脚本が書かれ、「ローラ」(60)はジャック・ドゥミが彼女からイメージを膨らませたヒロイン。美しさゆえに健気さや悲恋もまた絵になるのである。実生活では4度の結婚離婚をした恋多き女性。年齢を重ねた後も「プレタポルテ」(94)、「フレンチなしあわせのみつけ方」(04)などで円熟した美貌を見せている。

これは必見 KINENOTEおすすめの3本
  • ローラ(1960)
  • 初恋の人を7年間待ち続けるシングルマザーの踊り子を好演。“ヌーヴェル・ヴァーグの真珠”と呼ばれる作品で、純粋でひたむきなヒロイン=エーメの神秘的な美貌も、モノクローム映像の中で確かな輝きを放っている。
  • レビューから
  • 「男と女」を思わせるようなオープニングの美しい風景。アヌーク・エーメの息を呑むような美しさ。ローラの初恋時代そのままに、少女は水兵に淡い想いを抱く。
  • 男と女(1966)
  • シャバダバダ~♪という甘美なメロディとスタイリッシュな映像の中、エーメの成熟した美貌が映える。新たな恋に身を焦がしながら、亡夫への想いを捨てきれない女を情感たっぷりに演じ、複数の女優賞に輝いた代表作。
  • レビューから
  • あまりにも有名なテーマ曲とエンディングのショットは歴史に残りますが、ストーリーなどはまあ普通です。もちろん、アヌークエーメの美しさは、女優史上最高級です。
  • 甘い生活
  • 退廃的な生活を送る主人公を取り巻く女たちの中で、エーメが演じたのは大富豪の娘。出会ったその日に気まぐれで一夜を共にする。暇と金を持て余した上流女性を、優美なファッションとアンニュイな美しさで表現した。
  • レビューから
  • アヌーク・エーメがクールで素敵。マルチェロ・マストロヤンニは美形だけど、なぜかそれほど印象が強くない。ニコの変な笑い方も覚えてる。

略歴

1901年10月27日生まれ。ドイツ・ベルリン出身。22年の演劇学校入学直後から舞台に立ち始め、23年に映画デビュー。ジョセフ・フォン・スタンバーグに見出され、「嘆きの天使」(30)のローラ役に抜擢。退廃的な魅力と抜群な脚線美、彼女が歌う“フォーリング・イン・ラヴ・アゲイン”もヒットして世界的に有名になる。その後、アメリカに渡りパラマウントと正式契約。スタンバーグの下で実力を開花させ、「間諜X27」(31)、「上海特急」(32)など数々の作品に出演する一方、ナチス映画への出演を拒み、39年にアメリカ市民権を取得。50年以降は歌手としての活動が多くなり、「ジャスト・ア・ジゴロ」(78)が最後の映画出演となった。92年、パリで老衰のため逝去。

ここがすごい!

ベルリン生まれでエキゾチックな妖艶さと脚線美を誇り、ドイツの退廃美を体現する女優。だがディートリッヒはナチスに反発し、ヒトラーからのドイツ映画への復帰要請を完全拒否。アメリカ市民権を取得して、第二次大戦勃発後は前線慰問や反ナチ運動に積極的に参加した硬派な女性でもある。スクリーンで観客を魅了したセクシーな歌声で、53年からは歌手として世界各地でリサイタルを行うなど新境地を開拓。日本にも大阪万博の70年と74年に来日している。クールなイメージが強いが、数々の作品でコンビを組んだスタンバーグ監督との不倫愛のほか、「狂恋」(47)で共演したジャン・ギャバンと熱愛関係にあったことが後に明らかになった。

これは必見 KINENOTEおすすめの3本
  • 情婦(1957)
  • 殺人容疑をかけられた夫のために証言台に立つ年上のドイツ人妻。冷ややかな表情で夫を窮地に陥れるミステリアスな女性を印象付けるが、実は……。どんでん返しのミステリーで、ディートリッヒの芸達者ぶりが味わえる。
  • レビューから
  • デートリッヒがもと女優で、タイロン・パワーによって戦時下のドイツから助けられたという過去をもつのも原作にはない脚色。そしてこのことが事件に深い意味を持ってくる。 回想シーンでデートリッヒが歌を聴かせるのも見どころのひとつ。
  • モロッコ
  • 片道切符で砂漠に流れ着いた酒場の女。シルクハットに燕尾服で煙草をくゆらす男装のディートリッヒは、まさにクール・ビューティだ。官能的な歌声と脚線美でも観客を魅了し、米アカデミー賞主演女優賞にノミネート。
  • レビューから
  • マレーネ・デートリッヒのクール・ビューティぶりが素晴らしい。クーパーとともにスターの輝きが映画を支える。
  • 嘆きの天使(1930)
  • 老教師の人生を狂わせるキャバレーの踊り子に大抜擢。椅子にまたがって100万ドルの脚線美を見せつけ、気だるく歌う“フォーリング・イン・ラヴ・アゲイン”。ディートリッヒの官能的な魅力は世界中の観客を悩殺した。
  • レビューから
  • マレーネ・ディートリッヒの代表作のひとつ。兎に角、ディートリッヒの美脚が美しい。これだけでも観る価値あり。
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