数年間の単身赴任を終え、西ドイツの近郊都市に戻ってきたマルク(サム・ニール)は妻アンナ(イザベル・アジャーニ)の態度の変化に驚愕する。やがて夜な夜な家を後にするようになったアンナは、結婚生活や母親業から逃れたいこと、そして愛人の存在を夫に告げるのだった。ハインリッヒ(ハインツ・ベネント)という男の存在を知ったマルクは彼のもとを訪ねるが、実はアンナにはハインリッヒの他にも男がいるらしかった。思いあまったマルクは私立探偵を雇い妻を尾行させるが、いつしか彼は連絡を断ってしまう。一方アンナは、日々ヒステリックに狂気の度を増してゆく。そんなある日マルクは、息子ボブ(ミシェル・ホーベン)の小学校の担任教師ヘレン(I・アジャーニ=二役)の訪問をうけ、アンナとの生活に疲れ切った彼は、妻とよく似たヘレンに甘えるように身体を重ねるのだった。ますます不可解な行動をとるようになってゆくアンナ。現実を歪める彼女の妄想から妻を救い出すため、マルクはアンナに憑衣した魔物と対峙する決意を抱くのだが……