青森県むつ市。大湊中学校では生徒達が卒業パーティに向けて準備に追われている。問題を起こして一年留年した達也(濱田岳)は、一才年下の純真な心を持つ弟・良太(冨浦智嗣)と一緒にもうすぐ中学を卒業する。音楽室で合唱部が『翼をください』を熱唱している中、良太はパートを無視して気持ち良く歌っている。達也は対立する赤髪一派から逃げていると、クラスメイトの恵梨香(寺島咲)と出くわし、かくまってもらう。パートを無視して歌い続ける良太に堪忍袋の緒が切れた先生は、遂に「兄貴と歌え!」と宣告する。良太は達也に相談するが、皆からいつも笑われる良太と一緒に歌ったら、何を言われるか分からないと拒まれる。しかし、良太がこんなにも歌を好きなのは、小さい頃達也が歌った『ケ・セラ・セラ』のテープがきっかけだった。結局、良太のグループに入らざるをえなくなった達也は、俊介(落合扶樹)と恵梨香をグループに誘い、“リョーターズ”を結成する。卒業パーティー当日、晴れの舞台に立つ四人だが、赤髪一派が乱入してパーティーはメチャメチャになってしまう。春、町工場で働き始めた達也。中華料理店に就職した良太。昼間は美容院で働き、夜は美容学校へ通う恵梨香。そして、東京の高校へ進学し、新生活を満喫している俊介。皆、それぞれの道を歩き始めた。単調な日々に嫌気がさし、達也は故郷を捨て東京へ向かう。しかし夢はすぐに食い尽くされ、恵香との仲は次第に疎遠になっていく。夏、俊介は帰省し、達也と恵梨香の仲を心配していた。やがて一年が過ぎようとする頃、むつ市でのど自慢が開催されることになる。町は色めき立ち、人々はそれぞれの想いを込めて晴れ舞台で歌うことを夢見る。そして良太ももう一度、四人で歌うためにみんなに連絡を取るのだった。