江戸時代の日本。貧しい村に生まれ、忍者となった男カムイ(松山ケンイチ)。だが彼は、理不尽な殺戮、掟に縛られた世界に嫌気が差し、自由を求めて忍の世界を抜ける。同時にそれは裏切り者として追っ手と戦う運命を背負うことでもあった。彼を追うのは、かつての仲間、大頭(イーキン・チェン)やミクモ(芦名星)。その執拗な追跡を逃れ、生きるための逃亡の旅は続く。ある日、漁師の半兵衛(小林薫)を助けたことから、その家族に迎えられるカムイ。だが半兵衛の妻は、かつての仲間でカムイ同様、抜け忍となったくノ一のスガル(小雪)だった。カムイを追っ手と思い込むスガルは心を許さなかったが、反対に娘のサヤカ(大後寿々花)は密かにカムイに恋心を抱く。そんな時、半兵衛が藩主・軍兵衛(佐藤浩市)に捕らえられてしまう。カムイとスガルの協力により半兵衛は無事救出。だが、家に戻ることのできない半兵衛一家とカムイは、荒れ狂う海に船を漕ぎ出す。沖合いで人食い鮫の群れに襲われる一行。その窮地を救ったのは、屈強な鮫退治軍団“渡り衆”とそれを率いる不動(伊藤英明)だった。不動たちの千石船に迎えられたカムイたちは、無事に幸島に辿り着く。突然現れた彼らに不信感を抱いたカムイだったが、不動たちが自分と同じ抜け忍であることを知り、行動を共にするようになる。サヤカと心を通わせ、人と触れ合う温かさを知り、束の間の穏やかな日々を送るカムイ。だが、追っ手はすぐそこに迫っていた……。