1945年、敗戦を3日後に控えた深夜、宮崎県のとある小さな町で鍼灸院を営む星一家のもとを、1人の兵士が訪ねてくる。息を切らせて駆けてきた兵士は、負傷兵がいるので助けてほしいと懇願する。父・稔(美木良介)、母・サヨ(松本明子)をはじめとする一家は、わずかに残っていた白飯を兵士たちに食べさせ、行水を用意し、宿をとらせた。翌朝、兵士の1人・河村(颯太)は、娘・ユリ枝(夏未エレナ)にハーモニカを託す。そして、兵士たちは鍼灸院を後にする。半年ほど経ったある日、星家に分厚い封筒が届く。それは、一晩の恩義を忘れなかった河村からの年賀状だった。それ以降、河村の年賀状は毎年届けられた。そして39枚目の年賀状が届くが、それが最後となる。