女子高生のリナ(北川景子)は、家庭を顧みない父親(大杉蓮)と過保護な母親(宮崎美子)のもとで育てられ、誰もが羨むルックスで周囲から持てはやされ、奔放で独善的に暮してきた。「友達なんかいらない、必要な時にだけ利用するもの」を持論に、クラブで取り巻きとともに夜遊びを繰り返す毎日。そんなある日、彼女はクラブで突然意識を失い倒れてしまう。目を覚ましたのは病院のベッド。検査入院をすることになったリナの病室を、偶然にも同じ病院に通っていたマキ(本仮屋ユイカ)が訪ねてくる。小学校からの同級生だというマキだが、リナには彼女の記憶がまったくない。冷淡にあしらうリナに、マキは「また来るね」と告げて去って行った。検査入院を終えて退院したリナは以前と同様の生活に戻ったが、夜遊びから帰宅したリナに、両親は再入院が必要である事を告げた。彼らの話に耳をかそうとしないリナの傲慢な態度に、父親は勢いで「お前は、ガンなのだ」と告知してしまう。そのような非情な現実に彼女が向き合えるはずもない事は知っていたはずなの……。死への不安を抱えた闘病生活が始まった。抗がん剤の副作用で自慢の長髪は抜け落ち、体はやせこけ、羨望の的であったルックスは当然失われた。今まで彼女の方から一方的に利用して来たつもりであった“友達”からは顧みられなくなり、病気への恐怖の中で自分をささえる唯一の縁であったプライドを砕かれたリナのもとを、再びマキが訪れる。彼女は小学生時代にリナからプレゼントされたというオルゴールを差し出し、その頃の友情が今まで自分を支えてくれていたのだと告げた。次第にリナはマキに関する記憶を蘇らせ、マキがリナの病室を訪れ励ます日々が始まった。しかしガンの進行は止まらず、手術の末にリナは胸に消えない傷を負ってしまう。自暴自棄になり自殺を試みるリナに、マキは自分も同じ傷を負うから死なないで、と自分の胸にナイフを突き立てた。その命がけの説得に思いとどまったリナは、友達の大切さを悟る。マキの助けで治療に専念したリナは、やがて退院の日をむかえるまでに回復する。しかし、彼女の前にマキは現れなくなってしまった……。