5年前、ロンドンのコンサート会場で銃撃事件に巻き込まれ、左薬指の神経を切断、将来を嘱望されながら夢を断たれたピアニスト・如月敬輔は、その時両親を亡くした少女・千織を引き取ると、サヴァン症候群であった彼女に音楽の才能を見出し、今は各地の施設で千織の演奏を披露、慰問する日々を送っていた。ある日、敬輔と千織は小さな島の療養センターを訪れる。そこには、高校時代、敬輔に憧れ続けた一年後輩の岩村真理子がセンター職員として働いており、ふたりを招いたのも彼女だった。かつて、不妊症から結婚生活に失敗していた真理子。彼女は、初恋の人との再会に胸をときめかすが、演奏会が終わった午後、突然の落雷が真理子と千織を襲った!意識不明の重体の真理子に対し、幸いにも軽症で済んだ千織――ところが、彼女の体に真理子の魂が宿っていたのだ。それを敬輔だけに告白した真理子は、千織が与えてくれた余命4日間を敬輔と共に過ごす。そして最期の日、敬輔に別れを告げた真理子の魂は千織の肉体を離れ天に召されていき、千織の肉体には千織の魂が戻るのであった。