江戸の町は南蛮から来た像様の話で持ちきり。ペラペラでまるで現実味がない。ワイルドで熱い男、弥次郎兵衛(長瀬智也)と、ヤク中の役者、喜多八(中村七之助)。ふたりはディープに愛し合う恋人同士だ。ある日弥次さんが悪夢を見て飛び起きると、喜多さんが虚ろな目で注射器を片手に震えている。「弥次さん…、オイラ、現実(リヤル)がとんと分からねえ」。折りしも長屋には、お伊勢さんからのDMが届く。“リヤルは当地にあり”。喜多さんのヤク中を治すため、そしてリヤルを探すため、お伊勢さまを目指してふたりは東海道の旅に出る。バイクで威勢良く飛び出したはいいが、途中で時代考証に厳しい岡っ引(寺島進)に捕まり、江戸に逆戻り。仕切りなおしの出発から、最初に着いたのは箱根の関所、“笑いの宿”。そこではとにかく面白いやつが一番偉い。笑いのセンスがないやつは関所を通れず、ひどい時にはお手打ちになることも。そこでは誰しもが究極の笑いを求めて、ネタ合わせに余念がない。弥次さんと喜多さんも、早速ネタ合わせを開始。うまいこと鬼の番人、木村笑之新様(竹内力)に突っ込みを気に入られる。しかしヤク中がばれて喜多さんは関所を通れず、ふたりは引き裂かれてしまう。泣きながら歩く弥次さんの前に現れたのは、大阪から江戸を目指す伝説のヤク中漫才師、浪速ホット師匠(板尾創路)。ホットは相方の浪速サンド(桑幡壱真)を探して、彷徨っていた。一方、喜多さんは幻覚の世界、箱根の関所ぱーと2にたどり着く。そこで出会った喜多さんと浪速ホット師匠は、笑いの神の前で関所通過を賭けて戦うことに。その頃、江戸の町は大騒ぎ。弥次さんの妻、お初(小池栄子)の死体が上がったのだ。モテモテの町奉行金々(阿部サダヲ)と、相棒の岡っ引呑々(柄本佑)が、容疑者の弥次さんと喜多さんを追いかけ始めた。「次郎長親分の喜びは我らの喜び~」沼津、“喜の宿”の空に高らかに響く日本髪の女子高生軍団の歌声。彼女たちは、清水の次郎長親分の喜び組だ。「次郎長サマがここを通るよ! (/-▽-)/」という伝言板の書き込みを見て、待ち伏せ中。すぐに意気投合した喜多さんと喜び組は、おそろいの制服で軽快にスキップ! だが次郎長に夢中なはずの喜び組は、ひょっこり現れた弥次さんに一目ぼれしてしまう。二人の道中の行き着く果てには何があるのか?