東京郊外にある老人ホーム“らくらく長寿園”に暮らす元映画プロデューサーの菊島は、同じホームの入居者・源田の遺品の中に、銀行の地下に穴を掘り、金を強奪すると言う奇想天外な計画を記した“死に花”と題されたノートを発見。ホームの仲間である女好きの穴池、ほら吹きの庄司、銀行の支店長だった伊能、そして恋人の鈴子と共にその計画を実行に移すことにした。狙うは、伊能のかつての勤め先である“サクランボ銀行”。期間は、ターゲットの支店が閉鎖されるまでの一ヶ月間。穴掘りの拠点となる隅田川沿いに住むホームレスの先山やホームの新人職員・和子をも仲間に引き入れ、着々と穴を掘り進めて行く菊島たち。途中、防空壕の跡から白骨化した母子の遺体が見つかったりしたが、予定通り金庫の真下まで掘り進めることが出来た。ところが、明日はいよいよ金庫を破ると言う日、台風に見舞われせっかく掘った穴が水没してしまう。万事休す――しかし、なんと浸水によって地盤が緩みビルが傾き始めたのである!そこで、勿怪の幸いとばかり、菊島たちは傾いたビルの下に穴を掘ると、まんまと17億3千万円のゲットに成功したのであった。だが後日、防空壕から発見された遺体がホームの青木老人の妻子のものだったことが判明。今回の計画が源田による青木老人の為のものだったと気づかされた彼らは、しかしもう一花咲かせるべく、奪った金を元手に武田信玄の埋蔵金探しを計画するのだが、その時、菊島にボケの症状が顕れていた……。