誰かに教えたくなるシネマ

wayf_bord

毎月リリースされる未公開、単館系作品の中から、「観たら必ず誰かに教えたくなる」作品を厳選してご紹介。劇場で見逃した作品や隠れた名作が多く並ぶレンタル店だからこそ出会える良作、小規模公開ながらの傑作など、様々な掘り出し映画との出会いを提供します!

<6月リリース作品>

 

中国版『インディ・ジョーンズ』!

『レジェンド・オブ・パール ナーガの真珠』

  インターフィルムより6月2日リリース

 

(C)2017 Shanghai Film Media Asia Ltd., Shanghai Film Group Corporation, Media Asia Film International Limited 保留所有版權

【STORY】                                     かつて羽族と人間の争いの原因となって封印された“ナーガの真珠”。その後、両部族は穏やかに暮らしていたが、羽族の雪烈(シュリエ)は、その無限の力を秘めた真珠を自らの物にして人類を滅亡させる計画をしていた……。

 【オススメCOMMENT】                                                              

空を飛び回り、洞窟を探検し、テーマパークに行かずしてアトラクションに全部乗せてくれるアドベンチャー映画。中国版『インディ・ジョーンズ』と言わんばかりに危機に遭遇しまくり、主人公がツンデレ美女と心を通わせていくバディ構図もいい。大泥棒演じるダレン・ワンは、台湾で大ヒットした青春映画『私の少女時代 Our Times』の不良少年で一躍有名になったイケメン俳優。いざというときに優しい彼の一面には胸キュン。悪役のサイモン・ヤムや相棒のリス・オウカの隠れ技にも注目。

むしろ“Why her ?”

『ウェディング・バトル アウトな男たち』 

 

 

20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパンより6月6日リリース

 

(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

【STORY】                                     家族と共に幸せな生活を送っていたネッドは、ある日、大学に通う愛娘に彼氏がいることを知る。IT長者で口が悪く全身タトゥーだらけのぶっとんだ彼が、娘にプロポーズするつもりと聞き、娘を守るためネッドは立ち上がる!

【オススメCOMMENT】

娘を持つ父親なら、相手の男にナーバスになるのだろうが、あまりにも強烈なキャラのせいか、不思議と拒否反応が起きない。「F××K」という単語が止められないレアード君は、左胸に刻まれたカノジョをはじめ、全身はタトゥーだらけ。サプライズをしようと、彼女の家族全員のタトゥーを背中に入れて初対面に臨むなど、家族から受け入れてもらおうとする突飛な行動の数々が愛おしく思え、挙句、原題の「Why him ?」ではなく「Why her ?」とすっかり彼にほだされてしまいます。

こんなの悪夢以外の何物でもない

『消された女』

 

キングレコードより6月6日リリース

 

(C) 2016 OAL,ALL RIGHTS RESERVED

 

【STORY】                                     ある昼下がり、街を歩いていた女性、スアは突如拉致され精神病院に監禁されてしまう。それから1年後、担当するTV番組のヤラセ疑惑で一線を退いていたプロデューサーのナムスは、この事実を記したとされる手帳を手にする。

 

【オススメCOMMENT】                              

韓国の法律を悪用した、実際に存在する事件をモチーフにしながらも、本作はエンタメ寄り。かといってユルくなる訳ではなく、その恐ろしさは十分。狂っていないことを訴えること自体が、狂っていることの証拠になるような不条理な状況に、全く為す術ない絶望感と恐怖。そして、囚われの身となったスアが、自分を嵌めた人物に復讐を果たしたかというミステリ要素に、最後のどんでん返しと怒涛の展開。最後のスアの謎めいた言葉の意味が分かった時の、“騙された感”もすっきり、締めてくれました。

 

 

リアル“ラブソングが出来るまで”

『南瓜とマヨネーズ』

 

 

『南瓜とマヨネーズ』製作委員会/クロックワークスより6月6日リリース

 

(C) 魚喃キリコ/祥伝社・2017『南瓜とマヨネーズ』製作委員会

 

【STORY】                                     ライブハウスで働くツチダは、恋人・せいいちの夢を叶えるために密かにキャバクラで働いていた。一方、ミュージシャンを目指すも仕事のないせいいちは、自堕落な日々を過ごす。そんな中、ツチダは昔の恋人と再会する……。

 

【オススメCOMMENT】

ふと日常の外から手招きされた時の、いとも簡単に揺れ動く恋人たちの心情が潔い。彼氏にもう一度歌って欲しいという思いだけで、キャバクラ、援交、スク水姿(!)までこなす臼田さんのいじらしさよ。元カレ・ハギオを演じるオダギリジョーは未だかつてない脱力系&色気で、満点の“忘れられない相手”像。劇中ふたりの会話で過去の事件が明るみになるが、たじろぎもしないそれには羨ましさすらある。太賀演じるせいいちが最後に作りだす、ある1曲の背景には知られざる愛と嘘があった。

 

 

少年少女の純愛物語。だけではない!

『はじまりのボーイミーツガール

 

キノフィルムズ、木下グループ/ポニーキャニオンより6月6日リリース

 

 (C) 2016 GAUMONT-AJOZ FILMS-NEXUS FACTORY

【STORY】                                     クラスの優等生マリーに恋をしている12歳の少年ヴィクトール。彼女と急接近し、勉強を教えてもらう仲になったヴィクトールは、ある日、彼女からプロのチェロ奏者になる夢を打ち明けられる。しかし彼女は目の病にかかっていて……。

【オススメCOMMENT】                             

優等生のマーリーに恋心を抱く少年ヴィクトール。彼女の態度に一喜一憂して悩む初心な少年から、病気の彼女を救おうと奔走するかっこいい少年に成長していく過程が丁寧かつリアルに描かれていて素晴らしい。「マセてるな~」と思いつつ、意外と12 歳ってこれくらいしっかり物事を考えているのかもと妙に納得したり。しかも2人の恋愛と合わせて彼と父親の家族愛も展開されていて、そのドラマ性の高い物語に見入ってしまった。ただの純愛物語ではない、大人に響くエッセンス満載の1本です。

 

 

時代に振り回された子供たちの勇敢な旅路

『少女ファニーと運命の旅』

 

 

TCエンタテインメントより6月13日リリース

 

(C) ORIGAMI FILMS / BEE FILMS / DAVIS FILMS / SCOPE PICTURES / FRANCE 2 CINEMA / CINEMA RHONE-ALPES / CE QUI ME MEUT – 2015

【STORY】                                     ナチスの支配下にあるフランスで、ユダヤ人の支援組織で暮らす13歳のファニー。しかし、何者かの密告により、施設は閉鎖してしまう。イタリアに移るも、再びナチスの追手に迫られたファニーは、妹たちをつれてスイスの国境を目指す。

 

 【オススメCOMMENT】   

密かに運営されていた児童施設で暮らす13歳の少女が背負うことになってしまった、その年頃には重すぎる運命とその行方を描く。信頼できる大人たちを失い、子供たちだけで逃げることを強いられたファニーたち。そんな中、ドイツ兵に銃口を向けられても立ち向かっていく少年や、どんな状況でも子供らしい笑顔を失わない彼らの姿に胸を打たれる。妹たちのために強く成長していくファニーを見守りながら、緊張が解けない約90分間。そしてラスト、彼女の命がけの決断に涙が止まらない。

 

 

 

■前回の誰シネ(5月リリースタイトル)はこちらから

シェアする

フォローする