明治5年。明治政府は、群馬県富岡市に西洋と日本の技術を融合した世界最大規模の製糸工場を設立。だが、フランスから招いた“生糸の神様”と呼ばれるポール・ブリュナたちフランス人に、生き血を抜かれるという荒唐無稽な噂話が全国に広がり、工女集めに難航していた。明治6年春。長野県松代区長の娘・横田英(水島優)は反対する父を説得し、松代と新しい日本のために、同郷の河原鶴(吉本実憂)らとともに富岡製糸場に工女として入場することを決意。製糸場に到着した英が目にしたのは、これまで見たこともない別世界であった。美しいレンガの建物とピカピカの器械、そして西洋式の労働環境の中で真摯に糸を引く先輩工女たち……。全国から集まった工女たちは、紅い襷を掛けることが許されている一等工女を目標とし、一日も早く技術を習得して故郷に戻ることを夢見ていた。その姿に刺激された英と鶴らも、紅い襷を皆で目指すことを誓う。だが現実は、フランス人教師の厳しい指導や待遇の差、容易ではない糸取り作業など、様々な苦労の連続だった。そんなある日、彼女たちのもとへウィーンから驚くべきニュースが届く……。