小学3年生の渦原琴子“こっこ”(芦田愛菜)は、大阪の狭い団地に家族と8人暮らし。父親の寛太(八嶋智人)、母の詩織(羽野晶紀)、祖父の石太(平幹二朗)、祖母の紙子(いしだあゆみ)、そして三つ子の姉・理子、眞子、朋美(青山美郷:三役)と毎日、食事時に大きな円卓をみんなで囲んでいた。好奇心旺盛な彼女は、気になった言葉や初めて知ることなどを、“じゃぽにか(=ジャポニカ自由帳)”に書き留めて大事にしていたが、ある時、そのノートを紛失。実は姉の朋美が祖母への誕生日プレゼントとして、“じゃぽにか”の表紙にあるグロテスクな蟻を刺繍するために、こっそり拝借していたのだった。こっこの一番の仲良しは、隣に暮らす吃音のクラスメイト、ぽっさん(伊藤秀優)。“普通”が嫌いで、他人と違うことが“かっこええ!”と考えるこっこは、ぽっさんだけでなく、様々なクラスメイトを憧れの眼差しで見つめる。ものもらいで眼帯を着用した香田めぐみ(草野瑞季)から親がベトナムの“ボートピープル”だったゴックん(野澤柊)、突然の不整脈で倒れた在日韓国人の朴くん(古谷聖太)まで……。そんなこっこを、担任教師のジビキ(丸山隆平)は優しく見守っていた。ある日こっこは、母が新しい子どもを身籠ったことを知るが、喜びに沸く家族の中、1人だけ全く喜べない。悩むこっこにぽっさんは告げる。“う、嬉しなかったら、よ、喜ばんでも、ええ。”そんな2 人に、祖父・石太は英語の“イマジン(=IMAGINE)”という言葉を教える。想像すること、相手がどう思うか、友達がどう思うか……。それが“いまじん”。2人はこの言葉を深く胸に刻む。そして、待ちに待った夏休み。こっこはぽっさんと一緒に、学校のウサギの散歩をしたり、夏休みの自由研究で蚊に血を吸わせたりと忙しい日々。だが、お墓参りに行くことになったぽっさんと別れたこっこに、この夏最大のピンチが訪れる……。