サム・クレイグとテス・ハーディングはニューヨーク・クロニクル紙の記者である。サムはスポーツ欄を、テスは国際ニュース欄を担当している花形記者で、二人の記者は大きな見出しで報道され、互いに人気を競っていたが、一度も会ったことはなかった。ところがある日、ふと顔を合わせて互いに愛情を抱くようになって結婚した。ニューヨークの立派なアパートメントで結婚生活が始められることになるが、結婚当夜から二人の職業が邪魔に入ってくる。その夜突然テスを訪ねて来たセルビアの亡命政治家のために、新婚の二人きりの大切な時間がつぶされてしまったのである。初めからケチがついた二人の結婚生活は、時が立つにつれ融和するどころか、ますます食い違いが出来て来た。妻のテスが新聞記事を書くことに没頭すると、良人のサムがいやいや台所で食事の仕度やら皿洗いをしなくてはならないような始末である。こんな有様で二人の気持ちさえも落ち着かないので、テスは打開策としてギリシャの亡命少年クリスをアパートに引き取ってくる。ところがたまたま世論調査の結果、テスは「ナンバー・ワン女性」に選ばれて、ますます仕事が多忙となりクリスを顧みる暇もなくなる。子守までも背負い込まなければならなくなったサムは、クリス少年をギリシャ亡命少年援護所に返し、やけ酒に浸り出す。すれ違いのままのある日、テスの父が再婚することになり、結婚式に招待されたが、その日にアメリカン・フットボールの決勝があり、サムは仕事を優先して欠席した。ひとりで結婚式に出席したテスは、結婚の誓いをたてる2人の姿を見て、自分の結婚生活を深く反省した。急遽帰宅した彼女は、初めて夫の好物を料理しようとするが、全くうまくいかない。呆れる夫に、仕事を辞めて専業主婦になると言うが、サムはテスが専業主婦には向かないことを承知している。二人は今までのやり方を改め、お互いを深く理解し合って、円満に結婚生活を続けて行くことを誓うのである。