“それでは、いよいよキングゲーム開催です!”進行役の白兎(川村ゆきえ)が高らかに宣言する。広間に集められたのは、無口な青年“スズ”(石田卓也)や文学少女の“チェーホフ”(芦名星)を始め、強制的に集められた見知らぬ男女合計10人。全員が誘拐まがいの方法で連れてこられたのだった。顔ぶれは、元女医の“山咲”(木村佳乃)、自信家のエリート“殿下”(窪塚俊介)、平凡なOL“ひこうき雲”(前田愛)、登山家の“山登り”(堀部圭亮)、“横分け”と呼ばれる謎の男(山本浩司)、関西出身の売れないマジシャン“ヨシツネ”(夏目ナナ)、ロックスターの“ジョニーB”(ジェイ・ウェスト)、女子高生“八王子”(佐藤千亜妃)。10人は外部と遮断された場所に監禁された状況で、いわゆる“王様ゲーム”を10日間かけて行うことになる。王様の命令は絶対。それがこのゲームのルール。ここに連れてこられた10人はそれぞれ事情を抱え、望みを叶えてもらうおうと、ある組織と契約を交わしていた。組織は彼らに、“10日間王様ゲームを続ければ願いを叶える”と告げる。そのため、常軌を逸した状況にもかかわらず、契約を破棄する者は誰もいなかった。さらに、ゲームに参加する彼らには、いくつかの条件が与えられる。本名を明かさない、理由を詮索しない、契約を他言しない……。やがて、閉鎖的な空間でゲームを続けるうちに“王様”の要求はエスカレート。次第にそれぞれの心の奥底にあるものが炙り出されていく。さらにこのゲームには、ある仕掛けが施されていた……。10人が抱える事情とは何なのか?彼らが集められた本当の目的とは?キングゲームにはどんな意味があるのか?大きな謎を孕んだまま、物語は意外な方向に展開していく……。