狭い路地や短い石段が残る世田谷区松原の閑静な住宅街に住む鈴木賢治(大城英司)と吉本えり(渡辺真起子)。二人は一緒に暮らし始めて、3年になる。幸せを求める二人の間にも微妙な距離感が芽生え始めていた。3年前、賢治には6歳と3歳の娘と妻、えりには夫と、それぞれ家族があった。多くの犠牲を払い、多くの人を傷つけ、それぞれの家庭を捨て同棲を始めた2人。結果的に賢治から子供2人を奪い、賢治の母・雅子(馬渕晴子)からは孫2人を奪ったと思い込むえりは、2人に対して罪悪感を覚える。一方賢治は、別居する妻と一緒に暮らす幼い子供を思い、覚悟していたはずの後悔の念を消すことができず、えりとの入籍に進めない。えりの愛情とえりの母・裕恵の気遣いに賢治は自分を責める。お互いに、相手は自分でよかったのかと思い悩む2人。しかし2人を見守る友人たち、兄弟、叔母、そして2人の母の暖かな思いにより少しずつ2人は前進していく。そして賢治は入籍を決意し、あえて2人の母に証人になってもらい、彼女らへのプレゼントとして母の日に入籍する……。