余命3カ月と宣告された元教師の父(加藤武)を、在宅介護することにした小学校教諭の光一(テリー伊藤)。しかし、彼は父に最期にいい想い出を作ってやろうと思うのだが、何をしていいか分からなかった。厳しい教師だった父を見舞う、かつての生徒たちもいない。そんな中、光一の受け持ちのクラスの生徒である5年生の康弘(伊藤大翔)が、死に異常な興味を抱くようになる。サイトで死体を見たり、斎場に出かけたり、問題行動も目立って来た。そこで、光一は死にゆく父の姿を康弘に見せてやろうと、課外授業の一環として介護の手伝いをさせるのだった。一生涯教師だった父の、最後の授業でもある。戸惑いながらも、光一の家にやって来ては光一の父の姿を一心に見つめる康弘。実は、彼は幼い頃に実父を亡くしていたが、それを受け入れられずにいたのだ。お陰で、康弘は実父の死を想い出すことが出来た……。春、光一の父の葬儀。康弘も参列している。出棺の時、光一の父はかつての生徒たちが合唱する『あおげば尊し』で葬送られる。