暗黒時代のイギリス。荒れ果てた国土に割拠する部族たちは、事実上、強大で冷酷なアイルランド王の権力下に置かれていた。トリスタン(トーマス・サングスター)は、コーンウォールの領主マーク侯(ルーファス・シーウェル)を育ての父に持つ勇敢な騎士。戦闘で瀕死の重傷を負い、敵国アイルランドの海岸に流れ着いた彼は、アイルランド王の娘イゾルデ(ソフィア・マイルズ)にかくまわれ、献身的な介護を受ける。その日々の中で、女官のブラーニャと名乗るイゾルデの溌剌とした魅力に惹かれていくトリスタン。一方イゾルデは、トリスタンと過ごす時間の中に、自由に人を愛する喜びを見出す。だが、トリスタンを乗せていた船がアイルランド軍に発見されたことから、トリスタンはこの地を去らねばならなくなる。イゾルデが用意した小舟に乗り込んだトリスタンはイゾルデを誘うが、王女である彼女にはその申し出を受け入れられるはずもなかった。狡猾なアイルランド王ドナカー(デヴィッド・パトリック・オハラ)は、イギリスの領主たちの仲間割れを誘うために、イゾルデとの結婚と領地を賞品にしたトーナメントを開催することを決定。トリスタンはマークに、自分たちが勝者になればすぐにイギリス連合が築けると説得。マークは、自分の名代としてトリスタンをトーナメントで戦わせることに同意する。だがトリスタンが勝利したことにより、イゾルデはマークと結婚することになった。ブラーニャと名乗っていたイゾルデが王女だとは思いもよらなかったトリスタンも、大きなショックを受ける。イゾルデを連れてイギリスへ戻ることになったトリスタンの心は、イゾルデへの愛とマークへの忠誠との間で激しく揺れ動く。二人の情熱が抑えきれないものとなったとき、二人の愛は国の存亡を左右しかねないものとなる。