ある夏の日、暴力を振るう父親を殺害した過去を持つ保護観察中の18歳の少年・隆志が暮らす長野県の古寺・善福寺に、ジェニファという赤毛の少女がホームステイにやって来た。ピュアで何事にも物怖じしない彼女は、次第に寺の人々や固く閉ざした隆志の心を解きほぐしていくが、実は彼女自身も孤児院育ちという哀しい過去を持っていた。やがて、ほのかに想いを寄せるようになったジェニファと隆志。そんなある日、近隣で殺人未遂事件が発生し、隆志が警察の調べを受ける為に連行されてしまった。隆志の無実を信じ、彼が丹精こめて育てたトウモロコシ畑に布の切れ端をおみくじのように結んで願いをかけるジェニファ。果たして隆志の容疑は晴れ、彼は寺に戻って来るが、その時はもうジェニファの帰国が目前に迫っていた……。2年後、20歳になった隆志は寺を出た。ジェニファのお陰で明るさを取り戻すことの出来た彼は、未来に向けて歩き出す。