銅版画家の真希は、小学校教師の母親とふたり暮らし。ある日、交通事故に遭った彼女は、その衝撃で誰もいないパラレル・ワールドへジャンプする。しかもそこでは、事故の時間(午後2時15分)になると、前の日の同じ時刻にターンしてしまうのだ。こうして、同じ日をひとりぼっちで際限なく繰り返すことになった真希は、やがてその世界で前向きに生きていこうと決心するが、それから137日目、彼女に元の世界から1本の電話がかかってくる。電話の相手は、ギャラリーで真希の銅版画を購入したデザイン会社に勤務する青年・洋平。真希の作品が気に入った彼は、それを本の装丁に使いたいと連絡を取ってきたのだ。そんな洋平に、孤独に耐えきれなくなっていた真希は電話を切らないでと懇願。以後、ふたりはふたつの世界を繋ぐ電話で会話し、心を通わせるようになっていく。洋平によると、真希は事故以来、意識不明のまま入院中であるらしい。また、彼は電話口に真希の母親を連れて来てくれるが、何故か母親には真希の声は届かなかった。ある日、真希の前に柿崎という男が現れた。彼もまた自動車事故の衝撃で、この世界にジャンプしたと言う。ところが、彼は誘拐した少女を轢き逃げした凶悪犯だったのだ。そのことを新聞で調べた洋平は、真希に注意するよう告げようとするが、彼の部屋に酔って現れた上司が誤って電話を切ってしまい、ふたりは連絡が取れなくなる。一方その頃、柿崎は真希の前で次第にその本性を現していた。しかし突然、柿崎が真希の目の前から消えた。どうやら、元の世界の柿崎が死んだようだ。そして、その時から元の世界に戻りたいとより強く思うようになった真希は、見舞いに来ていた母親と洋平の前で、深い眠りから覚めるのだった。