リットンハウス夫人の邸宅で開かれた夜会の席上で、ジェッフリー・スポーディング大尉とその秘書ホレーショ・ジェミスンとは人気の中心となった。大尉は探検家として猛獣狩りの名人として名高い人で最近アフリカから帰って来たばかりだった。客の中には美術鑑定家で金持ちのチャンドラーやホワイトヘッド夫人母娘も招かれていた。その他にも「教授」と呼ばれる男とラヴェリという2人の楽士もいた。この家の令嬢アラベラは無名の青年画家ジョン・パーカーと恋仲だった。チャンドラーが自慢するために持参した高価な名画はかつてジョンが絵画修業中模写したことのあるものだった。アラベラは愛人が優れた画家たる事を知らせるため、2人の楽士に頼んで真物とジョンが書いた模写とをすり替えることにした。一方ホワイトヘッド夫人の娘も別に模写を持っていたのでこの家の執事を口説いてすり変えてもらうことにした。一方大尉は探検談で来客連を煙にまき、ラヴェリは得意のピアノ演奏をして客を喜ばせた。その夜激しい雷鳴を幸い2人の楽士は首尾よく絵のすり替えに成功した。その後へ執事がまた偽物の絵を第1の偽物とすり替えた。その絵を披露しようとして偽物と変わっているのを知って警察に届け出た。「教授」はどさくさまぎれに乗じて本物と第1の偽物とを盗み出したが、やがてそれが露顕したので彼は自発的に返却したので警察へ突き出されないですんだ。この事件のおかげでジョンの模写の優れていることが証明されアラベラは目的を達することが出来た。