アメリカ・ニューヨーク生まれ。マルクス・ブラザーズの3男。兄弟は5人で幼い頃から母親が習い事を覚えさせ、グルーチョはボーイ・ソプラノを習得。08年頃から兄弟でヴォードヴィルの舞台に立ち、24年にニューヨーク公演が批評家から絶賛され、『ココナッツ』(25)、『けだもの組合』(28)と公演がヒット。やがて映画界に誘われ、「ココナッツ」(29)でデビュー。以降はアナーキーで不条理な笑いを武器にコメディ映画の傑作を連発した。グルーチョはメガネと大きな口髭をトレードマークに、マシンガン・トークでジョークを繰り出す役回り。その腰を落とした独特の歩き方も人気があった。現在もジョーク・アイテムとして使われる髭と鼻が付いたメガネは、彼を模したもの。73年にはアカデミー特別賞を得ている。