小学二年生の楠林悟(吉田亮)は、姉・千鶴子(伊藤歩)に野球の球拾いに駆り出された川原で、雷に打たれて動かなくなった身長十七センチの小さな老武士(山崎努)を助けた。悟のおかげで息を吹き返した武士は墨江少名彦(すみのえのすくなひこ)と名乗り、自分は水源からやって来た水の精で、海を目指していると語る。悟は父・文博(岸部一徳)や学校の由紀先生(原田知世)から一寸法師の話を聞く。一方、少名彦は楠林家を探検し、ゴキブリやカラスと戦ったり、猫のホースケと戯れたり、悟に勇気や自然への優しさを教えたりするが、体は日増しに弱まっていった。そんな少名彦を助けようと、悟は春の学校キャンプ先できれいな水を求めて山の奥に入るが、その時に地震が起こり、悟は姉の野球ライバル・みゆきと共に豪雨の中取り残されてしまう。激流に飲みこまれる悟を助けたのは、駆けつけて来た少名彦だったが、そのため少名彦は瀕死の状態に。悟は由紀先生が奪ったパトカーに千鶴子と共に同乗し、少名彦を助けるため水源に向かう。洞窟の奥深く入り、水源の水を浴びた少名彦は、無事新たに生まれ変わり、海を目指して旅立つ。こうして気弱な少年だった悟は、この夏の少名彦との交流を通して、たくましく成長したのだった。