十九世紀の始め英国のある都会の住宅街クオリテイ街に、フィービーは老嬢たる姉のスーザンと二人で、ささやかな生活を送っていた。町一番の好男子であるブラウン医師の勧めによって、姉妹は財産の半分をロンドンのある会社に投資したところが、その会社が潰れてしまった。フィービーはブラウンが自分を愛していると思ったので、そのことは彼には告げないよう姉にも話しておいた。ところが彼はフィービーを訪れ求婚するかと思いの外、軍隊に入ってナポレオン戦争に出征すると告げる。にわかに貧乏になった姉妹は、町の少年少女を集めて学校を開き、苦闘の十年が経過した。その頃ウオタルーの大戦も終わってブラウンは凱旋した。フィービーを訪れた彼は十年の苦労に所帯じみた彼女を見ると、名乗られるまでは誰か他の女だと思っていた。腹を立てた彼女は若々しい衣装をつけ、化粧してブラウンの前に出る。そしてフィービーの姪オリヴィアと名乗って一緒に舞踏会へ行く。若い士官たちは綺麗なオリヴィアを取り巻いて騒ぐので、彼女はブラウンが自分に結婚を申し込んで来るだろうと思い、そうしたら鼻の先で笑って復讐するつもりである。その目的で彼女は何度もブラウンと舞踏会へ行ったが、それを見て往来の向こう側に住んでいる金棒引きのウィローバィ姉妹は、一度も聞いたことのない姪のオリヴィアというのが現れたのに不審を抱くが、フィービーはそれも巧みにごまかしてしまった。オリヴィアになりすました彼女は、今日こそブラウンが結婚の申込みをするものと思っていると、彼は彼女が若い士官と遊び廻るのを責め、自分は貴女の叔母さんのフィービーを愛していると告白した。翌日彼女と姉のスーザンはどうにかしてオリヴィアを片づけねばならないと決心したが、近所の目が光っているので困ってしまう。それを見て女中がことの真相をブラウンに告げ、姉妹の困窮も原因は彼の勧めた投資にあることを話した。そこでブラウンは近所の人にオリヴィアは病気になったと話し、人々の目を眩まして馬車で出発したようにとりつくろった。その後でブラウンはフィービーに結婚を申し込んだ。彼女は嬉し涙と共にそれを承諾した。