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  • 日本映画のススメ Vol4 「悪の教典」公開記念特集 「悪の教典」を観る前に/観た後に 見どころ解説=森直人、編集部
  • 特集1 「悪の教典」作品評
  • 特集2 「悪の教典」を観る前に/観た後に
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映画「悪の教典」にハマった人、あるいはこれから観たいと思っている人は、これらの作品もぜひ! 「みな殺しの霊歌」「新幹線大爆破」から「告白」「冷たい熱帯魚」まで、“戦慄のエンタテインメント”というコピーがふさわしい作品15本をピックアップ。

映画と同じスタッフが手がける最強最悪の殺人鬼の“もう一つの物語”

  • 「悪の教典 -序章-」
  • 「悪の教典 -序章-」

  • 製作年:2012
    監督:野本史生
  • DVD 3,990円(税込)
  • 発売元:エイベックス・マーケティング
    販売元:東宝
  • © BeeTV
  • 作品詳細はこちら

貴志祐介×三池崇史が生み出した、伊藤英明演じる最強最悪の殺人鬼・蓮実が、映画「悪の教典」で繰り広げた真夜中の高校での惨劇に先立って行っていた謀略と犯罪を描く。BeeTVドラマとして4話に分けて配信され、DVD化されたものだが、映画版の助監督・野本史生が監督し、NYロケも敢行した本格的な作品。このサイコパスに驚愕しながらも目が離せなかった観客なら、見逃さずにはいられないもう一つの衝撃のドラマ。(編)

実在の猟奇殺人事件をもとにした壮絶な大量虐殺シーンが衝撃!

  • 「丑三つの村」
  • 「丑三つの村」

  • 製作年:1983
    監督:田中登
  • あの頃映画 松竹DVDコレクション2,940円(税込)
  • 発売・販売元:松竹
  • © 1983 松竹株式会社
  • 作品詳細はこちら

通称「津山三十人殺し」と呼ばれる昭和13年の事件の映画化。古尾谷雅人演じる青年が、学生服姿で村人たちを大量虐殺するという壮絶なクライマックスは今なお衝撃。武器は改造ショットガンや日本刀など。容赦ない残酷描写はスプラッターの域だ。また前半では、村の風習である夜這いのシーンが続く。ロマンポルノで数々の名作を生んだ田中登監督の才気が爆発したエロス&バイオレンスの快作! (森)

公開当時より今こそ身近な話題と身に沁みる、凄まじい親子の物語

  • 「鬼畜」
  • 「鬼畜」

  • 製作年:1978
    監督:野村芳太郎
  • あの頃映画 松竹DVDコレクション 2,940円(税込)
  • 発売・ 販売元:松竹
  • © 1978松竹株式会社
  • 作品詳細はこちら

愛人に産ませた三人の子供を引き取ることになった気弱な男。憎悪に取り憑かれた本妻にそそのかされ、一人は衰弱死に至らしめ、一人は町に置き去りに、そして残った長男を死出の旅に連れていく……。松本清張原作×野村芳太郎コンビ作による、高度成長期の日本の暗部を描いたドラマだが、児童虐待、育児放棄といったテーマは今日的。それゆえにいっそう、父に殺されそうになってなお愛情を求める子供の姿が痛々しくも胸を打つ。(編)

鬼才・園子温監督が描く“堕ちていく女”の濃厚なデカダンス

  • 「恋の罪」
  • 「恋の罪」

  • 製作年:2011
    監督:園子温
  • ブルーレイ 6,090円(税込)
  • 発売元:日活
    販売元:ハピネット
  • © 2011「恋の罪」製作委員会/GUILTY OF ROMANCE FILM PARTNERS
  • 作品詳細はこちら

東電OL殺人事件をモデルにした女性の転落劇と猟奇殺人をめぐる異色サスペンスで、全編に渡り濃厚なデカダンスを放つ。ベストセラー作家の夫を持ちながら、売春の闇に堕ちていく人妻いずみ役の神楽坂恵の体当たりの熱演が圧巻だ(この映画の撮影後、園子温監督と結婚)。いずみを導く大学助教授・美津子役の富樫真も強烈なインパクト。音楽は「ベニスに死す」と同じマーラーの交響曲第5番が印象的に使われている。(森)

笑いどころも随所にあるバイオレンス・アクション

  • 「極道兵器」
  • 「極道兵器」

  • 製作年:2010
    監督:坂口拓 山口雄大
  • DVD 4,935円(税込)
  • 発売元:日活
    販売元:ハピネット
  • © 2010 石川賢/ダイナミック企画・極道兵器製作委員会
  • 作品詳細はこちら

石川賢の人気コミックの実写映画化。主人公は片腕をマシンガン、片足をロケットランチャーに改造したやくざ組織の組長の息子、対するは薬で操られゾンビのように襲ってくる面々や、肉体を兵器に改造した女――と、まさに劇画のようなキャラクターが荒唐無稽に暴れまわる姿を単純に楽しみたい。マジ当てアクションとCGの混在、俳優たちの怪演とスタイリッシュなカメラワークによる娯楽作。SUSHI TYPHOONレーベルの1作。(森)

復讐に燃える教師に扮した松たか子のハードボイルド演技が戦慄!

  • 「告白」
  • 「告白」

  • 製作年:2010
    監督:中島哲也
  • ブルーレイ完全版(2枚組)
    5,985円(税込)
  • 発売・販売元:東宝
  • © 2010「告白」製作委員会
  • 作品詳細はこちら

地方都市の中学校を舞台に、陰湿なイジメや少年犯罪、荒れた家庭環境などを描く社会派ミステリー。現代日本社会のグロテスクな縮図として最先鋭に立つ傑作だろう。特に、娘を生徒に殺された教師に扮した松たか子のハードボイルドな演技が戦慄。彼女が復讐のために用意したミルクのシーンや、「なーんてね」のブラックな台詞などは大きな話題に。過激な描写が続く内容ながら、興行収入38.5億円の大ヒットを記録した。(森)

あの貞子が本当に飛び出してきたら……恐いに決まっている!

  • 「貞子3D」
  • 「貞子3D」

  • 製作年:2012
    監督:英勉
  • ブルーレイ 4,935円(税込)
  • 発売・販売元:角川書店
  • © 2012『貞子3D』製作委員会
  • 作品詳細はこちら

Jホラーブームの先駆けとなった、テレビから長い黒髪の貞子が出てくる「リング」の衝撃から14年。「呪いのビデオ」が今や「呪いの動画」となり、テレビのブラウン管からスマートフォンや街中のディスプレイ画面にとメディアは変わったが、やっぱり貞子は出てくる。しかも今度は本当に飛び出すとは。Blu-ray版DVDが3Dバージョンなので、劇場で未見の方はこちらの方がオススメかも。(編)

三池崇史のアクの強さが発揮された血まみれ集団抗争時代劇

  • 「十三人の刺客」
  • 「十三人の刺客」

  • 製作年:2010
    監督:三池崇史
  • DVD通常版 3,990円(税込)
  • 発売元:セディックインターナショナル・小学館
    販売元:東宝
  • © 2010「十三人の刺客」製作委員会
  • 作品詳細はこちら

「これは広島・長崎に原爆が投下される百年前の日本の物語である」との冒頭テロップも印象的な、三池崇史監督が得意の暴力表現をパワフルに発揮した傑作血まみれ時代劇。工藤栄一監督による1963年の東映映画のリメイクだが、こってりとアクの強さが増している。とりわけ稲垣吾郎が怪演する最凶の暴君・松平斉韶のサディスティックな残虐性は凄まじく、「悪の教典」の主人公・蓮実聖司につながるキャラクターと言えよう。(森)

田宮二郎のニヒルな存在感が映える医学界のドロドロ権力闘争

  • 「白い巨塔」
  • 「白い巨塔」

  • 製作年:1966
    監督: 山本薩夫
  • DVD 2,940円(税込)
  • 発売・販売元:角川書店
  • © 1966角川映画
  • 作品詳細はこちら

山本薩夫監督の骨太の手腕が冴える、大学医学部の教授のポストをめぐってドロドロの権力闘争が展開するディープな人間ドラマ。野心あふれる主人公・財前吾郎を演じる田宮二郎のニヒルかつギラついた存在感が素晴らしい。のちにテレビシリーズでも田宮が主演を務めるが、やはり映画版のダークな救いのなさは格別だ。原作は山崎豊子の同名小説だが、そちらが完結する前に製作されたため、映画オリジナルの結末になっている。(森)

ギリギリの緊張感が持続するパニック・アクション映画の傑作!

  • 「新幹線大爆破」
  • 「新幹線大爆破」

  • 製作年:1975
    監督:佐藤純彌
  • DVD 【期間限定プライスオフ】 2,940円(税込)※2013年2月26日のキャンペーン終了後は通常の価格となります。
  • 発売元:東映ビデオ
    販売元:東映
  • © 東映
  • 作品詳細はこちら

当時アメリカでブームになっていたパニック映画を意識して作られたものだが、爆弾を仕掛けられた新幹線をめぐる攻防戦が見事なサスペンスとして描かれ、日本映画随一と言える大作系アクションの傑作に仕上がった。速度80キロを切ると爆発するという秀逸な設定を存分に活かし、二時間半の長尺が少しも弛まない。海外でも評価が高く、後年ハリウッド映画「スピード」が公開された時、本作との類似性が取り沙汰された。(森)

ベテラン俳優・でんでんがシリアルキラーの悪役として覚醒!

  • 「冷たい熱帯魚」
  • 「冷たい熱帯魚」

  • 製作年:2010
    監督:園子温
  • ブルーレイ 5,985円(税込)
  • 発売元:日活
    販売元:ハピネット
  • © 2010NIKKATSU
  • 作品詳細はこちら

でんでんのハイテンションな快演にして怪演がすごい! 彼が演じるのは、大型熱帯魚店を経営する陽気な男・村田。しかしその実態は、次々と人を騙して「ボディを透明」(バラバラ殺人のこと)にしていくシリアルキラー。口八丁手八丁でどんな相手も自らの手中に収めていく、その異様な色気と暴力性は圧巻だ。また、村田に追い詰められる気弱な主人公・社本役の吹越満は、「悪の教典」で陰湿な物理教師・釣井正信役に扮している。(森)

戦後の混乱期、法の死角と盲点を突いた完全犯罪の実話を描く

  • 「白昼の死角」
  • 「白昼の死角」

  • 製作年:1979
    監督:村川透
  • DVD 4,725円(税込)
  • 発売元:東映ビデオ
    販売元:東映
  • © 東映
  • 作品詳細はこちら

法律の盲点を突き手形詐欺などを行った「光クラブ」による犯罪の実話をもとにした小説の映画化で、戦後の混乱を生きた男の悪行を描くピカレスク映画の秀作。「狼は生きろ!豚は死ね。」のキャッチコピーも話題になった。主人公・鶴岡七郎が、明晰な頭脳と大胆な行動力で大企業や検察組織を相手に完全犯罪をしかける。夏木勲演じる鶴岡と、検察官役の天知茂、クールな二人が対峙するハードボイルドなタッチに痺れる。脇役陣も充実。(編)

凄惨なサバイバルが展開するバイオレンス学園映画の金字塔

  • 「バトル・ロワイアル」
  • 「バトル・ロワイアル」

  • 製作年:2000
    監督:深作欣二
  • DVD 5,460円(税込)
  • 発売元:東映ビデオ
    販売元:東映
  • © 2000「バトル・ロワイアル」製作委員会
  • 作品詳細はこちら

「悪の教典」の先駆と言えるバイオレンス学園映画の金字塔。教師キタノ(ビートたけし)が発する「えー、今日は皆さんにちょっと殺し合いをしてもらいます」の凶悪な名台詞を皮切りに、中学生たちが本気の殺戮ゲームを繰り広げる。不況下における自己責任社会の縮図とも解釈できる新世代のサバイバルと、戦中派の情念を爆発させた深作欣二監督の生々しい暴力表現が、21世紀直前の日本においてオンリーワンな化学反応を生んだ! (森)

激しい怒りとドス黒い情念に取り憑かれた青年の復讐劇の極北

  • 「みな殺しの霊歌」
  • 「みな殺しの霊歌」

  • 製作年:1968
    監督:加藤泰
  • あの頃映画 松竹DVDコレクション 2,940円(税込)
  • 発売・ 販売元:松竹
  • © 1968 松竹株式会社
  • 作品詳細はこちら

これほどドス黒い情念が渦巻く映画も史上稀であろう。佐藤允が演じる青年・川島は、とある理由からセレブ女性の友人グループを次々と拉致監禁して惨殺していく。かくして連続殺人犯として追われる身になった彼と、倍賞千恵子扮する大衆食堂の店員・春子の切なすぎる邂逅。なぜ青年は自ら破滅に向かうほど激しい怒りにとらわれたのか? モノクロ映像の底に絶望が沈殿していくように哀しい。まさに復讐劇の極北だ。(森)

松田優作が屈折した殺人鬼を怪演する異色ハードボイルド

  • 「野獣死すべし」
  • 「野獣死すべし」

  • 製作年:1980
    監督:村川透
  • ブルーレイ 2,940円(税込)
  • 発売・販売元:角川書店
  • © 1980角川映画
  • 作品詳細はこちら

名優・松田優作が「遊戯」シリーズなどを共に手掛けた村川透監督と組んで放った異色ハードボイルド。大藪春彦による同名小説の3度目の映画化だが、優作演じる主人公・伊達邦彦のキャラクターには独自の屈折が加えられている。表向きはクラシック音楽を愛好する翻訳家だが、実はベトナム戦争従軍時の体験がもとで暴力の渇望に取り憑かれてしまった強盗にして殺人鬼。伊達の深いニヒリズムを体現する優作の魅力が光る。(森)