私は映画やドラマを見て泣くことはほとんどない。「泣ける映画」というキャッチフレーズも好きではない。
人はわざわざ泣きたくて映画を見るのか?
と思ってしまう。
そんな私が劇場で泣いてしまった数少ない映画。
それから数回見ているが、今では何に泣いたのかよくわからない。当時はそういう空気があったのだろう。
残念ながらこの映画、年月を重ね、熟成されて名作になっていくタイプのものではない。2004年のセカチューブームに乗って極めて商業的に成功した映画だろう。
それでも、この映画を2度3度と見てしまうのは、私の場合、ひとえに長澤まさみの魅力に尽きる。圧倒的な瑞々しさ。スクリーンいっぱいに溢れる輝き。
12歳で東宝シンデレラのグランプリ。この作品では亜紀とほぼ同年代だったと思われるが、早くも東宝の看板女優となる。
その後、日本を代表する大女優となりつつある彼女の原点として永遠に残る仕事だろう。
名カメラマン篠田昇の遺作としても記憶に留めたい。