Dolls ドールズ(2002)

どーるず|----|----

Dolls ドールズ(2002)

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レビューの数

29

平均評点

68.4(252人)

観たひと

539

観たいひと

56

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ファンタジー / ドラマ
製作国 日本
製作年 2002
公開年月日 2002/10/12
上映時間 113分
製作会社 バンダイビジュアル=TOKYO FM=テレビ東京=オフィス北野
配給 松竹=オフィス北野
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督北野武 
脚本北野武 
プロデューサー森昌行 
吉田多喜男 
協力プロデューサー上埜芳被 
久保聡 
吉村直明 
撮影柳島克己 
美術磯田典宏 
装飾尾関龍生 
音楽久石譲 
録音堀内戦治 
音響効果柴崎憲治 
照明高屋齋 
編集北野武 
太田義則 
衣裳山本耀司 
衣裳担当岩崎文男 
アソシエイト・プロデューサー川城和実 
古川一博 
石川博 
ラインプロデューサー小宮慎二 
アシスタントプロデューサー臼居直行 
加倉井誠人 
製作担当山下秀治 
助監督松川嵩史 
スクリプター荘原はる 
スチール渡邉俊夫 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演菅野美穂 佐和子
西島秀俊 松本
三橋達也 親分
松原智恵子 良子
深田恭子 春奈
武重勉 温井
岸本加世子 春奈の叔母
津田寛治 若い頃の親分
大家由祐子 若い頃の良子
大杉漣 春奈のマネージャー
豊竹嶋大夫 大夫
鶴澤清介 三味線
吉田蓑太郎 梅川
吉田玉女 忠兵衛
清水章吾 松本の父
金沢碧 松本の母
大森南朋 松本の同僚
大塚よしたか 松本の友達
西尾まり 佐和子の友達
矢川純一郎 佐和子の友達
野村信次 佐和子の父
中村万里 佐和子の母
中島美奈 新婦
児玉頼信 新婦の父
石垣光代 新婦の母
武発史郎 結婚式場の支配人
高橋勝 ホテルのボーイ
嶋田豪 コンビニ店長
田村元治 街のおじさん
松美里杷 街のおばさん
佐藤真弓 街の人々
三田直弥 街の人々
〆さばアタル 街の人々
前大輔 街の人々
P―MAN 街の人々
菅大輝 小学生
石坂良磨 小学生
杉浦周平 小学生
北澤清子 看護婦
山本恵子 看護婦
川原京子 看護婦
吉海綾 看護婦
井出勝美 病院の患者
戸村麻衣子 病院の患者
ささきまこと 病院の患者
内藤トモヤ 病院の患者
森永健司 祭りの男
谷代浩 祭りの男
関口あきら 祭りの男
藏内秀樹 運送屋
西川方啓 ロッジのボーイ
石山雄大 兄弟分
相澤一成 若い衆
桐生康詩 親分の後ろにいるヤクザ
嵯峨周平 親分の運転手
大西武志 外で見張っている男
堀田大陸 エレベーターホールの殺し屋
ガンビーノ小林 エレベーターホールの殺し屋
金井良信 親分のボディーガード
緒方美穂 ホステス
ホーキング青山 兄弟分の息子
サミーモアモアJr. 息子の友達
江端英久 公園のサラリーマン
大谷俊平 公園のサラリーマン
みやづ康彦 公園のサラリーマン
伊藤留奈 公園のOL
森咲里香 公園のOL
鯉沼トキ 公園のOL
モロ師岡 公園のヒットマン
アル北郷 青木
吉沢京子 春奈の母
種子 春奈の付き人
紀伊修平 春奈の運転手
大久保運 道路工事主任
芦川誠 レポーター
太田浩介 レポーター
石橋あゆみ レポーター
川崎初夏 レポーター

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

文楽人形が物語る、3つの純愛を描いたドラマ。監督・脚本は「BROTHER」の北野武。撮影を「GO」の柳島克己が担当している。出演は、「化粧師 KEWAISHI」の菅野美穂、「クロエ chloe」の西島秀俊、「忘れられぬ人々」の三橋達也、「旅の途中で FARDA」の松原智恵子、「東京★ざんすっ 約束」の深田恭子、新人の武重勉ら。第59回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品、第26回日本アカデミー賞優秀撮影賞、優秀照明賞、優秀美術賞、優秀音楽賞受賞、第27回報知映画賞助演女優賞(菅野美穂)受賞、平成十四年度文化庁映画芸術振興事業作品。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

近松門左衛門の『冥土の飛脚』の出番を終えた忠兵衛と梅川の文楽人形。その視線の向こうに、3つの愛の物語が展開する……。赤い紐で体と体を結んだ“つながり乞食”の佐和子と松本。かつて、松本は佐和子の愛を裏切る形で別の女性と結婚しようとしたが、そのショックで佐和子が精神のバランスを崩したことを知ると、彼女を病院から連れ出し、以来、ふたりはあてどもなく彷徨い歩き続けていた。ある日、友人たちに婚約を公表した思い出のロッジへと辿り着いたふたり。しかし、そこを追い出された彼らは、雪山で足を滑らせ崖から転落してしまう。迫り来る死期を感じ取った老境のヤクザの親分は、ふと思い立ち、とある公園へと出かける。そこは、若い頃に愛した良子と毎週土曜に逢瀬を重ねた思い出の場所だ。思いがけず、今も彼を待ち続ける彼女と再会を果たした親分。彼は、正体を明かさず彼女と会うようになるが、ある日、ヒットマンによってひかれてしまう。交通事故で左目を失い、芸能界引退を余儀なくされたアイドル・春奈の元に、デビュー当時からの熱心なファンで、誰にも顔を見られたくないと言う彼女の気持ちを慮るあまり自らの視力を奪った温井が訪ねて来た。久しぶりの再会。春奈は、彼のことを憶えていてくれた。だが温井の幸せも束の間、彼は交通事故で轢死してしまう。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2003年7月下旬号

日本映画紹介/外国映画紹介:Dolls

2002年11月下旬号

劇場公開映画批評:Dolls(ドールズ)

2002年10月下旬号

巻頭特集 「Dolls(ドールズ)」:グラビア

巻頭特集 「Dolls(ドールズ)」:北野武監督ヴェネチア会見

巻頭特集 「Dolls(ドールズ)」:菅野美穂 インタビュー

巻頭特集 「Dolls(ドールズ)」:西島秀俊 インタビュー

巻頭特集 「Dolls(ドールズ)」:三橋達也 インタビュー

巻頭特集 「Dolls(ドールズ)」:松原智恵子 インタビュー

巻頭特集 「Dolls(ドールズ)」:北野作品をどう観る

2021/11/03

2021/11/03

3点

その他/ツタヤディスカス、DVDレンタル 


北野武・・・。

最初の30分、西島秀俊と菅野美穂で話が進む。
睡魔に襲われる。
なんとか頑張ったが、映画館だったら間違いなく眠っただろう。

そして三橋達也の話と、深田恭子の話が出て来る。
  (どうしてもヤクザの話は、入れたいらしい。)
解説を読んだら、オムニバスだという。
しかし、3組の話は微妙に交錯する。
これが、私的に、難解にさえ感じ、てんでダメだった。
みなさん、誉めているのでビックリ。
三つの話とも、全然、面白くないよ~。
純愛だってさ。
モンタージュも、ダラダラしすぎ。
いつもの冴えは、ない。

人形浄瑠璃で、くるんだあたりも、ピンと来ない。
外国向けに、受けを狙った?
ふざけんじゃない、と言いたい。
まぁ、解かる人には分かるのでしょう。
おまかせします。

菅野美穂さんと、お年を召した松原智恵子さん、金沢碧さんは、ちょっぴり記憶に残したい。
金沢碧さんは、「東京湾炎上」を映画館で見て、綺麗な人だなと思ったっけ。

たけしと久石譲さんのコンビ最終作とのこと。(今のところ)

2012/10/23

2019/10/11

58点

テレビ/無料放送 


異色ラブストーリー3篇。

北野武 監督による、人形浄瑠璃・純愛物語。
オムニバス型の映画。三組のラブストーリーが描かれる。
・つながり乞食(西島秀俊/菅野美穂)
・公園に出かけるやくざの親分(三橋達也/松原智恵子)
・失明したアイドル歌手(深田恭子/武重勉)
(全編海外ウケ狙いの映像とネタである。インパクト重視の作風に終始する。漫才ネタ作りの延長線上の様な映画に思えた。)

2019/08/25

2019/08/25

80点

レンタル/神奈川県/TSUTAYA/TSUTAYA 川崎駅前店 


フリークス・ロマンス

ネタバレ

北野映画コンプリート活動の中で視聴。あまり北野映画の中でも話に上がらない作品なので期待してなかったが、(そのせいもあってか)期待を裏切る傑作だった。

物語の構成としては1つの恋愛劇に2つのストーリーを交錯させながら半オムニバスのような形式で進行する恋愛群像劇となっている。菅野美穂と結婚するはずだった西島秀俊が会社の社長に気に入られて社長令嬢と結婚させられてしまい、そのショックで自殺未遂、発狂してしまった菅野美穂を連れて西島秀俊が放浪するメインストーリー。それにヤクザの親分である三橋達也が過去に相思相愛であったが長らく離別していた松原智恵子に出会うサブストーリーと、不慮の事故でアイドル業を引退してしまった深田恭子とその追っかけのストーリーが平行、あるいは交錯する。

前半、西島秀俊と菅野美穂が逃避行を始めるまでの展開が非常にまったりで若干退屈。北野映画特有のセリフその他情報量の少なさもあって視聴が若干厳しい。
しかし終盤、化ける。特に後半に入ったあたりで始まる深田恭子のストーリーが絡まったあたりから画面の質量が極大化してエンディングまで鈍くも美しい展開が最高に北野映画。
個人的には、『あの夏、いちばん静かな海。』とやっていること変わらないなと思いつつも、セリフや構成から演出まで何からなにまでシンプルだった『あの夏~』に比べて本作はかなりテクニカルだと感じた。一つ、共通性については両作品ともまったくの純愛劇でないということ。御幣を恐ずに言ってしまえば、劇中のメインキャラはほとんどフリークスだ。自殺未遂でイカれてしまった菅野美穂、一緒に乞食と化す西島秀俊、事故で顔の半分を失ってしまった深田恭子と、彼女を追いかけて自身の双眸を潰した追っかけ、死期の近いヤクザの親分である三橋達也。健常な人間はほとんど出てこない。同時にその恋愛形態も純愛とは言えない、これが愛の形態なのか、挑戦的な形で投げかけてくる。その点では、まだ『あの夏~』は純愛劇だったが本作は「雰囲気的に純愛をやっているはずが誰一人として恋愛をやっていない」奇妙な作品になっている。北野武、天才か?

共通性の二つ、それぞれの恋愛のラストにあるのが不条理な死があること。これはある意味映画における究極の暴力性だと思うのだけれど、本作ではあまりに唐突かつ無条件の死が各ストーリーの最期に待ち構えている。これも北野映画の真骨頂だと勝手に思っている。最高か?

ストーリー以外では、画面がかなりテクニカルな気がした、シンプルでないという意味で。けれどもそれが見せるのはやはり叙情的で耽美な世界だ。エモい。音楽が久石譲ということで『菊次郎の夏』みたいなバリ強エモ音楽が来たらどうしようかと思ったけれどそんなこともなかったので良かった。逆に、山本耀司の衣装がファンタジックで、ともすれば世界観から外れそうなところ本作の持つフリークスの空気に一致しつつ美麗さを出力していて素晴らしかった。

この視覚的なエモさに不条理な死という過激な暴力とフリークスの愛が重なってそりゃもう質量マシマシ映画になる。

2019/06/08

2019/06/11

70点

レンタル 


冥途の飛脚

冒頭の人形浄瑠璃は、近松門左衛門の「冥途の飛脚」。ウィキでストーリーを調べてみたが、男女二人の道行があるくらいで、特に本作とリンクするような内容でもなさそうだ。人形は自分では動けない。背後の黒子が演じさせている。強いて言うなれば、運命に操られ、演じさせられている男女の悲劇の物語というところか。

松本(西島秀俊)は、愛する佐和子(菅野美穂)を裏切った。そのつけは、彼女の精神の崩壊と、自分の立場の喪失。行き場を失った二人は、当て所のない放浪の生活に陥る。お互いの腰に、赤いひもを結びつけて…。佐和子の現状を知った松本の行動は同情なのか、本当の自分の気持ちに気づいたからなのか。

ピンク一色の春の桜並木から、夏、そして真っ赤な秋の紅葉、やがて真っ白な冬の雪。季節ごとの彩色豊かな、日本の自然が背景に描かれる。これまでのキタノブルーをふっ切るかのような、鮮やかな色使いが美しい。二人の衣装、特に菅野は放浪者とは思えないほどきれいなままだが、彼女は既に心を失った人形のような存在なのだ。

松本と佐和子の放浪と並行して描かれるもうふた組の男女。若い頃の約束を守り続ける良子(松原智恵子)と、ヤクザの親分(三橋達也)。良子もまた、佐和子同様にイメージカラーは赤。佐和子は記憶を失っているが、良子は覚えている。だが、約束は忠実に守っているのに、目の前に現れた男に気づかない。男の面影さえ分からないのは、やはり彼女の心も何かを失っているのかも知れない。男も打ち明けない。それは後ろめたさ故か、彼女が気付いてくれるのを待っている。いや、気付く気付かないはもう問題ではないのだろう。過去はやり直せない。ならばこれからの時間を大切にしていけばいい。

もう一組は、アイドルの春奈(深田恭子)と、追っかけのファン温井。温井は、ライバルのファンと春奈の関係が自分より深く、遅れをとっていると思っている。自分こそ一番のファンになりたいという温井の行為には驚かされる。そこまでやるのは愛情故なのか。あまりにも思い込みが強すぎるのだが、彼女の姿は、温井の記憶の中で、いつまでも美しいままだ。

それぞれの物語は、一様に悲観的だ。そして北野監督の視点は、残酷でさえある。一時の希望を垣間見せた後の絶望。感情の落差が激しいほど、哀しみはより一層深まる。しかし、それをあっさりとやり遂げる北野演出は、涙を誘わず、空しい余韻だけを残す。人生とは、かくも哀しく美しく、残酷なのだ。

今回、久石譲の音楽は、驚くほど心に残らない。これまでの作品では、タイトルと同時に久石のメロディが頭に流れるほど、密接に強烈な印象を残していた。北野作品を語る上では、必ず久石作品の絶賛があった。敢えてそれを押さえさせた結果が本作のサントラ。これを最後に、久石は北野作品から手を引くことになる。

2013/08/27

2019/04/04

75点

レンタル 


モダンな彩り

成就する愛、破滅する愛、すれ違う愛。愛の形も色々あるけれど、純粋一途であればあるほどに狂気や死と表裏一体で、美しくもヤバイものだと実感する。

近松門左衛門原作のクラシカルな物語にモダンな彩りを添える柳島克己の撮影をはじめ、音楽の久石譲や衣装の山本耀司といった北野組のサポートを受けながら、自らの美的センスに拠ったリリカルな映像世界を紡ぎ出す北野武。そのスタイリッシュな語り口とチャレンジングな創作姿勢に惹かれる異色にして出色の悲恋譚。

ついでながら、映画の冒頭で黒川紀章の国立文楽劇場が、佐和子と松本の再会シーンで村野藤吾のルーテル学院大学が登場。

2017/10/27

2017/10/27

80点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


壮大でロマンチックな愛

若い頃見たら100点をつけていたかもしれない。こういう恋をしてみたい。
まず冒頭の人形浄瑠璃の意味がわからなかったが、ラストシーンにつなげるための布石と理解した。
物語は3つ。愛を売った男が償いのために愛を取り戻す物語。恋人がいながらヤクザの世界に身を沈めた男が、恋人の待っているという言葉を思い出し会いに行く物語。アイドルの熱烈なファンが再起不能のアイドルのために目をつぶしてまで会いに行く物語。現代の春琴抄。
どれもうまく関連づけながら一つのオムニバス映画のように構成する当たり非凡さを再認識した。また映像もきれい。
2つの物語は哀しい待ちぼうけが、あと一つは道行きのはて愛情を取り戻すが、結末は悲劇に。
北野武はなぜ暴力映画と、このようなメルヘンチックな物語とを交互に描くのか。北野自身の寂しさの表れか、相当なロマンチストかと思ってしまう。きっと寂しがり屋なんだな。