菅野美穂

|Kanno Miho| (出演)

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本名
出身地 神奈川県伊勢原市
生年月日 1977/08/22
没年月日

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神奈川県伊勢原市で生まれ、すぐに埼玉県坂戸市に転居し同地で育った。中学生の時にミスアイドルコンテストを受け合格。芸能事務所に入り、学業の傍ら芸能活動を始める。1992年、テレビ朝日のバラエティ番組『桜っ子クラブ』の番組内ユニット“桜っ子クラブさくら組”のオーディションに合格し、これを機にCMなどにも露出するようになった。当時のさくら組のメンバーには中谷美紀、井上晴美らがいた。93年、テレビ朝日のドラマ『いちご白書』で女優デビュー。同局『ツインズ教師』93、『お姉さんの朝帰り』『嫁の出る幕』94、NHK『街角』、フジテレビ『パパと呼べないの』93、『時をかける少女』94などのドラマに次々と出演し、女優としての活動が増えていく。95年、大森一樹監督「大失恋。」で映画初出演。そこまでは可愛らしいアイドルという認識が強かったが、そのポテンシャルを最初に発揮したのが、佐藤嗣麻子監督「エコエコアザラク/WIZARD OF DARKNESS」95で演じた主人公・黒井ミサ(吉野公佳)のクラスメイトの倉橋みずき役。友達思いの優等生と思わせて、最後にミサの敵に回る悪役で、その変貌ぶりが圧巻だった。同年秋には、NHK連続テレビ小説『走らんか!』に出演。朝ドラには珍しい男性主人公の物語だった本作で、準主役の主人公の幼なじみ・三浦真理役に抜擢される。こうした勢いにのってソロ歌手としてもデビューするが、すぐに女優業に主眼を置き、連続ドラマ初主演となったテレビ朝日『イグアナの娘』96で評価が一気に高まった。同作は萩尾望都の名作漫画のドラマ化で、自分の姿がイグアナに見えるという深い心の悩みを抱えた主人公・青島リカ役を演じた菅野のいじらしさが、多くの視聴者の心を捉えた。そんな人気絶頂の97年、新たな挑戦を行なう。まず舞台『チュニジアの歌姫』への出演。それまでミュージカルに出たことはあったが、本格的なストレートプレイは初めてだった。そして、ヌード写真集『NUDITY』を発表。自宅での自然体の写真がスキャンダラスな空気を醸し、世間を沸かせた。その後も人気が衰えることはなく、小松隆志監督「ご存知!ふんどし頭巾」97でコメディ、小中和哉監督「THE DEFENDER」97で二重人格の役を演じて、演技の幅広さを見せる。テレビ朝日の単発ドラマ『君の手がささやいている』97では聴覚障害のヒロインを演じ好評で、2001年までシリーズ5作が作られた。NHKのトーク番組『青春メッセージ』の司会も担当する一方、及川中監督「富江」99、落合正幸監督「催眠」99と「エコエコアザラク」以来のホラーに連続出演。2000年代に入ると、ホラー映画や『イグアナの娘』のようなファンタジーで見せた“影”の部分を、日常を生きる人間にも付加して陰影の深い人間像を形成していくようになる。フジテレビ『愛をください』00は、孤独な少女が歌を通して愛を知っていく物語で、ドラマのミュージシャン名“蓮井朱夏”名義でリリースされた挿入歌『ZOO/愛をください』もヒットした。同年、大竹しのぶと舞台『奇跡の人』で共演。菅野は三重苦の少女ヘレン・ケラー役、大竹は彼女を導くサリバン先生役。天才女優同士の対決と言われ、ふたりの底知れぬパワーがぶつかり合う。ふわっとした不思議系女優のような印象もあるが、実は極めて強いエネルギーを発していることがよくわかる舞台だった。この時期、テレビドラマはほかに、NHK『鶴亀ワルツ』99、『ちゅらさん』01、テレビ朝日『恋の奇跡』99、TBS『恋がしたい恋がしたい恋がしたい』01など。02年の田中光敏監督「化粧師」では、元気な少女が大人になっていく過程を演じて報知映画賞助演女優賞を受賞。同年の北野武監督「Dolls」への出演も話題を呼んだ。その後は、地に足のついた演技を見せた平山秀幸監督「レディ・ジョーカー」04、人気花魁を演じて色気と貫禄を感じさせた蜷川実花監督「さくらん」07などのほかは映画出演が少なくなり、フジテレビ『アルジャーノンに花束を』02、『大奥』03、『愛し君へ』04、『わたしたちの教科書』07、日本テレビ『幸福の王子』03、『あいのうた』05、TBS『Tomorrow/陽はまたのぼる』08など多くのテレビドラマに主演級で出演を続ける。特に近年は、日本テレビでの主演ドラマが多くの視聴者の共感を得た。安野モヨコ原作の『働きマン』07では、ガッツのある女編集者の主人公・松方弘子役。『キイナ・不可能犯罪捜査官』09では、お菓子を食べながら事件を推理していく一風変わった女刑事・春瀬キイナ。『曲げられない女』10では、何がなんでも信念を通して生きてゆく主人公・荻原早紀役で、毎回キレる場面の絶叫が見どころだった。フジテレビ『ギルティ・悪魔と契約した女』10は久しぶりに二面性のある役で、何か企んでいる表情が小気味いいくらいに決まっていた。NHK『坂の上の雲』09~11では正岡子規の妹・律を演じ、面倒見のいい気丈な女性をたくましく表現している。10年には西原理恵子原作、吉田大八監督の「パーマネント野ばら」で8年ぶりに映画主演。バツイチ子連れで故郷に帰ってきたヒロインを演じ、妄想中の“好きな人”のことを考えているところが可笑しい。翌11年も海堂尊原作、大谷健太郎監督「ジーン・ワルツ」でクールな天才産婦人科医に扮し、完全に自立した女性像で女優としての新たな一歩を刻んだ。

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2011年1月下旬号

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2007年3月上旬号

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2002年10月下旬号

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2000年2月上旬号

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1999年9月下旬号

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1996年5月下旬特別号

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