再見。前半は誘拐された子どもの救出劇と三船敏郎演じる権藤の心境の変化を、後半は犯人逮捕に向けた捜査と山崎努演じる竹内の歪んだ心を描く二部構成の作り。どちらも視点のメインは仲代達矢演じる戸倉警部ではあるものの、権藤と竹内の姿はまるでコインの表裏のよう。そして、甲乙つけ難いくらいに前半も後半も面白い。中でも目を引くのは、新幹線内での身代金の受け渡しと、パートカラーで描いた焼却炉からの煙。また、「天国と地獄」というタイトルがつけられているけれど、住む場所や経済的な差では決してなく、各々の心持ち次第で天国にも地獄にもなる。現に、社会的地位は失ったものの、様々な圧力から解放された権藤には清々しさすら感じる。陥れた権藤が不幸せであればあるほど、自分を憎めば憎むほど、竹内は優越感に浸れるはずだった。が、それが的外れなことだと知った時、彼は地獄を垣間見、心から震えたのだと思う。