天国と地獄

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天国と地獄

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レビューの数

86

平均評点

86.0(568人)

観たひと

949

観たいひと

136

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 日本
製作年 1963
公開年月日 1963/3/1
上映時間 143分
製作会社 東宝=黒澤プロダクション
配給 東宝
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 4chステレオ

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督黒澤明 
脚色小国英雄 
菊島隆三 
久板栄二郎 
黒澤明 
原作エド・マクベイン 
製作田中友幸 
菊島隆三 
撮影中井朝一 
斎藤孝雄 
美術村木与四郎 
小道具野島秋雄 
音楽佐藤勝 
録音矢野口文雄 
整音下永尚 
音響効果三縄一郎 
照明森弘充 
衣裳鈴木身幸 
製作担当者根津博 
チーフ助監督森谷司郎 
記録野上照代 
スチル副田正男 
特殊機械大隅銀造 
撮影助手原一民 
編集助手兼子玲子 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演三船敏郎 権藤金吾
香川京子 権藤伶子
江木俊夫 権藤純
佐田豊 青木
島津雅彦 青木進一
仲代達矢 戸倉警部
石山健二郎 田口部長刑事
木村功 荒井刑事
加藤武 中尾刑事
三橋達也 河西
伊藤雄之助 馬場専務
中村伸郎 石丸重役
田崎潤 神谷重役
志村喬 捜査本部長
藤田進 捜査一課長
土屋嘉男 村田刑事
三井弘次 新聞記者A
千秋実 新聞記者B
北村和夫 新聞記者C
東野英治郎 年配の工員
藤原釜足 病院の火夫
沢村いき雄 横浜駅の乗務員
山崎努 竹内銀次郎
山茶花究 債権者A
西村晃 債権者B
清水将夫 刑務所長
清水耕次 魚市場の事務員
熊倉一雄 魚市場の事務員(声)
清水元 内科医長
名古屋章 山本刑事
浜村純 債権者
織田政雄 税務署執行吏
西村晃 債権者
田島義文 看守長
宇南山宏 島田刑事
牧野義介 高橋刑事
近藤準 刑事
鈴木智 小池刑事
大村千吉 病院の外来患者
加藤和夫 鑑識課員
菅井きん 麻薬患者
富田恵子 麻薬患者・殺される女
小野田功 麻薬患者
田口精一 中村刑事
松下猛夫 税務署執行吏
山本清 上野刑事
伊藤実 刑事
鈴木治夫 刑事
大滝秀治 新聞記者

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

エド・マクベイン原作“キングの身代金”を「椿三十郎」の小国英雄、菊島隆三、久板栄二郎、黒澤明が共同で脚色、黒澤明が監督した刑事もの。撮影は「娘と私」の中井朝一と「ニッポン無責任時代」の斎藤孝雄。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ナショナル・シューズの権藤専務は、大変な事件に巻込まれてしまった。明日まで五千万円を大阪に送らないと、次期総会で立場が危くなるというのに、息子の純と間違えて運転手の息子進一を連れていってしまった誘拐犯人から、三千万円をよこさないと進一を殺すという電話があったからだ。苦境に立った権藤は結局金を出すことになった。権藤邸に張りこんだ戸倉警部達は権藤の立場を知って犯人に憎しみを持った。金を渡す場所。それは、明日の第二こだまに乗れということだった。犯人は戸倉警部達を嘲笑するかのごとく、巧みに金を奪って逃げた。進一は無事にもどった。権藤は会社を追われ、債権者が殺到した。青木は進一の書いた絵から、監禁された場所を江の島附近と知って、進一を車に乗せて江の島へ毎日でかけていった。田口部長と荒井刑事は、犯人が乗り捨てた盗難車から、やはり江の島の魚市場附近という鑑識の報告から江の島にとんだ。そこで青木と合流した二人は、進一の言葉から、ついにその場所を探り出した。その家には男と女が死んでいた。麻薬によるショック死だ。一方、戸倉警部は、ある病院の焼却煙突から牡丹色の煙があがるのをみて現場に急行した。金を入れた鞄には、水に沈めた場合と、燃やした場合の特殊装置がなされていたのだ。燃やすと牡丹色の煙が出る。その鞄を燃やした男はインターンの竹内銀次郎とわかった。また共犯者男女ともかつてこの病院で診察をうけており、そのカルテは竹内が書いていた。今竹内をあげても、共犯者殺人の証拠はむずかしい。戸倉警部は、二人の男女が持っていた二百五十万の札が、藤沢方面に現われたと新聞に発表する一方、竹内には、二人が死んでいた部屋の便箋の一番上の一枚に、ボールペンで書きなぐった後を復元した、「ヤクをくれヤクをくれなければ……」という手紙を巧妙に渡して、腰越の家に罠を張って待った。そして、竹内には十人からの刑事が尾行についた。竹内は横浜で麻薬を買った。肺水腫に犯された二人が麻薬純度九〇%のヘロインをうって死なないはずがない。竹内はそのヘロインを今度は、伊勢崎町の麻薬中毒者にあたえてためそうというのである。果して一グラム包〇・三%を常用している中毒者は忽ちにしてショック死した。彼は薬の効果を確かめてから、二人の男女中毒者をおいておいた腰越の別荘に走った。そこには、すでに戸倉警部の一行が、ずっとアミを張って待っているのだ。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2017年11月上旬特別号

野上照代に訊く黒澤映画 「天国と地獄」後篇:インタビュー 野上照代

2007年11月上旬特別号

見逃してはいけない@スカパー!:『露木茂の「ニュース映画で見る昭和」』「天国と地獄」「縛り首の木」

1983年11月上旬号

特別企画 [黒澤明の全貌]によせて 第1回 私の黒澤映画:「天国と地獄」

1963年4月上旬春の特別号

日本映画批評:天国と地獄

日本映画紹介:天国と地獄

1963年3月下旬号

「天国と地獄」・黒沢明の世界:

1963年3月上旬増大号

2大シナリオ特集:天国と地獄 黒沢明監督(東宝映画)

1962年12月上旬号

新作グラビア:天国と地獄

1962年11月上旬号

秋の日本映画の大作探訪:「天国と地獄」と黒沢明

1962年9月上旬号

旬報万年筆:黒沢映画「天国と地獄」スタート

2017/10/23

2017/11/05

85点

映画館/北海道/札幌シネマフロンティア 


前半は犯人との行きつまる心理戦、後半は精鋭部隊の誘拐専門刑事たち決死の捜査網が描かれ、息もつかせぬ展開が続く。

「身代金を支払うことで、権藤が会社にいられなくなることはわかってるけど、でも自分のたった一人の息子は助けてほしい」
という青木さんの気持ちを考えると、わー、なんかもうなんとも言えないよ…。゚(゚´ω`゚)゚。
元から申し訳なさそうな顔をしているのに、さらに申し訳なささ三割増しくらいで権藤に懇願する青木さんに
「青木さんがんばれーー!\\\٩(๑`^´๑)۶////オオオオオオオオ!!!!!」
と、泣きながら応援してました。


人間描写も細かく描かれていたが、推理描写も秀逸。
「ここは日差しが眩しくてうだるような暑さで…」
という犯人の一言から、
「この電話の時間帯に陽光が入って且つ権藤邸が見上げられる公衆電話は…ここだ!m9`д´)」
と、電話の発信元を特定したり
車体に付いた痕跡から車の入手先を特定したりと、現場に残されたちょっとした証拠や何気ない一言で犯人の居場所を突き止めたりと、刑事たちの観察眼にひたすら脱帽。

キャラクターの個性がそれぞれ際立っていたのも、観ていて飽きさせなかった。
誘拐特別対策課の長、仲代達矢さん演じる戸倉警部が、ステキ…・:*+.\(( °ω° ))/.:+
冷静沈着、どんな時も落ち着いて部下たちに指示を出し、課を取りまとめる役どころ。
普段はクールなんだけど、犯人の卑劣な犯行に語気を強めて怒りを露わにするところもまた、ギャップがあっていいわぁ…(*´Д`*)ハァ--ン!

この映画にも出てました、木村了さん。
課の中でも一番の若手で少し頼りなさげだけど、子供には懐かれているところがなんとも可愛らしい(*´Д`*)ハキュン
身代金の受け渡しで新幹線に乗った際、うっかり居眠りしてしまって、先輩刑事から
「慰安旅行じゃねーんだぞ゚A`)≡〇)`Д゚).」
と、どつかれて起こされるところも可愛らしい(*´Д`*)ハキュン

犯人の動機が
「自分が住むこの部屋は、夏は暑く冬は寒くて寝られもしない。そんな毎日の中、ふと高台にある権藤さんの家を見ていたら、なんとも腹立たしくなったんですよ…」
って、なんだそりゃ( ゚д゚)ペッ


でも、疲労困憊な日々が続く中、自分よりも幸福な暮らしをしている人たちを見せつけられていたら、竹内のように考えてしまうのも仕方ないのかな…なんて思ったり。
人が犯罪を起こす動機なんて、案外そんなものなのかもしれませんな…(`Д´;)ヌゥ

2017/11/05

2017/11/05

-点

レンタル 


良い

よい

2017/11/02

2017/11/02

85点

映画館/沖縄県/シネマパレット 


何回観ても面白い。オチが判っていても。

極悪非道をした犯人に課する刑を重くしようと、警察が犯人を泳がす。今だったら、犯人にも人権があるのだから、と問題になるでしょうね。これが世間にばれると。

ここに黒澤明監督の正義感が見て取れる。非道な犯人なら徹底的にやっつけるべし、という主張。これが「ダーティハリー」に影響した・・・のかなあ?
もう悪いことをしたのは許せない、という単純にも真っ直ぐなテーマをぶつけていく。ラストでの山崎努の言う、富める者への妬みという社会的なテーマを提示しても、それが言い訳にしか聞こえない。しかも死刑なるのは怖くない言いながら震えているという犯人の醜態を見せながら。

山田洋次監督作品にも共通するそんなに白黒単純に分けるのはいかがなものか、とも思ったりするんだけど、黒澤監督作品にはその単純な主張をこちらに納得させてしまう重厚かつ面白さでもって、世界の黒澤になったのだった。

だから警察が新聞記者たちに嘘の情報を記事にして犯人に罠をしかけるというのもちょっと抵抗を感じはするが、犯人には痛い目をあわせなきゃいけないという正論の前にはその罠も正当化される。

今回、記者の中に大滝秀治がいることに気が付いた。

2017/10/29

2017/10/31

-点

映画館/東京都/立川 CINEMA CITY/TWO 


4Kリマスター版の驚き

深い苦悩を伴う過去の事故や事件など自分にとってあまりに忌まわしい記憶は、モノクロームで刻まれることがある。しかも鮮明に。「権藤金吾にとってこれはまさにこの類の忌まわしい白日夢だ!」と4Kリマスター版のクリアな映像を観て、そう感じた。

言わずと知れた犯罪サスペンスの名作中の名作であり、「鉄橋のたもとのあの家をどかして」など黒澤のこだわりの画作りの成功譚はすでに語り尽くされた感がある。

それにしても前半は、まさに「静」の密室劇。計算された役者の動かし方と推敲を重ねた末に生み出された無駄のないセリフが積み上がっていく、その明快さ。後半は一転、疾走する特急第二こだまの狭い車内を縦横に使って誘拐事件の重要な山場を一気に描く、その躍動感。

観ている側からすれば、これほどの長尺でありながらもこの白日夢から関心がそれることは一切ない。むしろ気持ちは終始作品に釘付けだ。見事だというほかない。

2017/10/27

2017/10/30

-点

映画館/京都府/TOHOシネマズ二条 


何年振りかで再見

覚えているようで、覚えていなかった。手に傷のある山崎努が犯人で、病院の階段を登って行くシーンだけは覚えていた。
アナログの世界が、こんなにも新鮮とは。前回観たときはまだ携帯も普及してないころだったから特に感じなかったのか。世の中はどこまで進歩するのか空恐ろしい。
そんな今観てもなんら遜色ないこの名画!素晴らしいの一言。

2017/10/28

2017/10/30

85点

映画館/千葉県/TOHOシネマズ市川コルトンプラザ 


警察の会議

青木の息子が救出されてからがおもしろかった。
警察の会議だ。
エーテルの入手経路。逃走に使った車、子供の絵。目撃証言。使った公衆電話。考えられる犯人の住居。国鉄の字術者への聞き取り。少しずつ、わかっていく過程がおもしろい。犯人からの電話の録音に残っていた電車の音、逃走車についていた泥の汚れの分析。運転手親子の追跡と警官の捜査が同じ場所に行きつくのも引き込まれる。

天国のようにみえる生活も地獄のように辛い人生も映していた◎。

だけど、犯人が共犯の夫婦を殺そうとしたり、殺し損ねたと知ったら、試しに路上生活の女性を殺害したり。医学生のことがあまり語られていないので、こんな残虐な犯人であることが呑み込めない。

犯人の決め手になった手の傷ができた理由とかも知りたかった。