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鑑賞日 2013/03/16  登録日 2013/03/23  評点 50点 

鑑賞方法 映画館/東京都/TOHOシネマズ錦糸町 
3D/字幕 -/-
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見終わった後のほうが味が出る映画

今年の日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝いたのは、僕の2012年度邦画ベストテンでも紹介した「桐島、部活やめるってよ」が輝いた。この「横道世之介」も、高校と大学という違いはあれど、話としては少し似た構図を感じさせる作品となっている。学生時代というのは誰しも同じ世代の人間から影響を受ける。「桐島〜」では、それこそ高校という狭い世界の中で、桐島という人気者を軸に、それに振り回される周りの人々を描いていたが、この「横道世之介」の世之介は桐島と同じように人間関係の軸となる人物なのだけど、作品の中心にいそうで、実はいないという不思議な役回りになっている。それは世之介が大学生から大人になっていく過程の中で、それに関係していく友人も、彼が世界の中心ではなくなっていく、、つまり大人になっていくからなのだ。それが「桐島〜」と一番違うところだろう。

僕自身の学生時代を思い返しても、その節々に世之介のような奴がいたと思う。迷惑だけど憎めない、思い返すと、彼が・彼女がいたからこそ、あのときの自分の生活が彩られたという人がきっと誰しもいることだろう。ネット社会の今でこそ、大人になっても友人関係を続ける人も多いと思うけど、自分の思い出の中で、ふとそういえばアイツは何をやっているのだろうか?とその人を想う。いろんな人の、”そういえばアイツは?”という想いを、世之介という人物として繋ぎあわせていった作品が本作なのだ。

後からこのように思い返すと素敵な作品なのだが、見ている最中は何かもう一つ惹きつけるものが感じられないのが、この作品の残念なところ。演じている役者もいいし、演出も全然素晴らしいんだけど、こう感じてしまうのはいろんな人の思い出の中で生きる世之介という人物が、作品の中ではちょっと人間臭すぎるからなのだろう。リアルに描くなとは言わないが、ファンタジックで透明度をもう少し高く描けば、周りの人が大人になっても、思い出の中で生き続ける世之介像の対比がうまく出たと思う。評価は低いが、悪くはない作品だ。