最後の演奏のためにすべてが存在する！

最後、10分間の演奏（チャイコフスキー）が圧巻。
オーケストラというタイトルだから、最後は演奏で終わるのだろうなというのは簡単に想像できる。
そこでの10分間の映像づくりも素晴らしく、演奏前で解決されていなかった出来事、演奏後のこと、などを主に映像でみている人にわかるように展開していく。こういうのは、映画でしかできない手法なのだろう。小説などのテキストでは表現できない技法だ。
素晴らしかった。

ま、それで5点をあげられるかといえば、演奏前のゴタゴタしたダラダラとしたストーリー展開はどうなんだろう。逆説的にいえば、前半ダラダラしていたからこその最後の素晴らしい演奏があると言えなくもないが・・・。とにかく、前半はもう少しなんとか整理できるのではないかと言う感じはあった。

もちろん、モスクワ、共産党、ユダヤ人迫害、いろいろと日本人のわたしには深く想像できない部分もあるが、こういう映画を普通に作られるようになったということは、ロシアやフランスでこのあたりのわだかまりは解消できてきていると言う証拠なのかな？

誰かのレビューにもあったけど、30年間、何もしてこなかった人たちが、一瞬にしてすぐに演奏できると言うのはあり得ない話だろうけど、なんて言うのだろう。オーケストラの世界というか、コミュニティというか、一つのものに向かっていくというか、夢に向かっていくというか、うーん、いいな。
こういうのを見ると、わたしもなんとか前に進もうと思うわけだけど、うーん。
少しずつ、少しずつ、こう言う映画からエネルギーをもらっていこう。