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嗤う分身
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分身の方がうまく立ち回り自分は窮地に追い込まれる主人公サイモン。それが仕事上だけならともかく、ついには心を寄せる秘めたる恋人すらも・・・。 映画のトーンが「ブラジル」「カフカ」「バートン・フィンク」とか、アキ・カウリスマキの諸作品を思い起こさせる。地球上に孤立して来た共産主義国家が独自に進化してしまった「ある社会」でのお話。といったらいいか。BGMが日本のGS(ブルーコメッツ)だったりするのがもう異次元の世界感ぷんぷん。また、主人公がJAPANのデヴィド・シルヴィアンを思わせる風貌で、そして彼の主体は非常に気弱で奥手で引っ込み思案なんて、不思議すぎる。可笑し過ぎる。そういう意味で自分にはコミカルな作品でもあった訳だが。 俗に自分のドッペル君と遭遇してしまったら死ぬとか言われるが、ここでは一緒に飲みに行ったり街中走り回ったりできているが、意外と楽しいことなのかもしれないと思ったりする。ここではドッペル君の人格はどうやら全く別物みたいなんでね。これなら何とかやり過ごすことが出来そうな気がするのだ。もし分身が自分と全く同じ人格を有してゐたら、やるせなくて自殺したくなるだろうと思うね。いや、この映画のサイモンは自殺しようとしたけど、理由は別にあったと思うよ。
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