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平均評点
66.9点(234人)
観たひと
355
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52
レビューの数
39
By Dean Rogers © Channel Four Television Corporation, The British Film Institute, Alcove Double Limited 2013
ロシアの文豪ドストエフスキーの『分身(二重人格)』を『サブマリン』のリチャード・アイオアディ監督が映画化。気の優しい内気な男が、自分と全く同じ姿をした男の出現によって人生を狂わされていく。出演は「ソーシャル・ネットワーク」のジェシー・アイゼンバーグ、「イノセント・ガーデン」のミア・ワシコウスカ、「トイ・ストーリー」シリーズのウォーレス・ショーン。2013年10月17日より開催された「第26回東京国際映画祭」コンペティション部門にて「ザ・ダブル 分身」のタイトルで上映された。
厳しい束縛と管理体制の中、労働者は単なるコマにしかすぎない世界。“大佐”(ジェームズ・フォックス)なる者が君臨する不穏な雰囲気の会社で働くサイモン・ジェームズ(ジェシー・アイゼンバーグ)は、気は優しいが要領の悪い内気な男。勤続7年になるが、その存在感の薄さから名前もまともに覚えてもらえない。上司のパパドプロス(ウォーレス・ショーン)からはひどい扱いを受け、同僚にはバカにされ、入院中の母親からも蔑まれる日々。密かに恋するコピー係のハナ(ミア・ワシコウスカ)の部屋を自室から望遠鏡で覗くのが習慣だった。そんなある夜、いつものように望遠鏡を覗いていた彼は上層階の窓際に立つ一人の怪しい男を発見、男はサイモンに向かって手を振るとそのまま静かに飛び降りる。この日を境にサイモンの人生はさらなる悪状況へと陥っていくのだった……。会社期待の新人として入社してきたジェームズ・サイモン(ジェシー・アイゼンバーグ)は、顔、背格好、ファッション、そして爪の形までサイモンと瓜二つの男であった。もう一人の“自分”の出現に激しく動揺するサイモンだったが、上司や同僚は誰一人としてこの状況に驚くことも不思議がることもしない。ジェームズは瞬く間に会社に馴染み、一方のサイモンはますます影の薄い存在になっていく。彼らの容姿は全く同じであったが、性格だけは真逆だった。サイモンはハナに対しまともにアプローチもできないが、ジェームズは多くの女性を虜にし一度に複数と付き合うことができた。サイモンは自己主張をせず仕事を正当に評価してもらえないが、ジェームズはそのアピールの強さですぐさま上司の信頼を得てしまう。そしてサイモンは真面目で優しいが、ジェームズはいい加減でずる賢かった。自信家でカリスマ性を持つジェームズの魅力はハナをも巻き込み、彼女はジェームズに惹かれていく。ハナのためにジェームズとの仲を取り持つサイモンだが、心の中は不安と悲しみに溢れていた。やがてジェームズは“替え玉スイッチ”をサイモンに強要し始める。互いの適正を活かし、時と場合によって二人が入れ替わることでその場をうまくしのいでいこうというのだ。だが狡猾なジェームズの行動は徐々にエスカレート、サイモンは自分の人生を乗っ取られ“存在”そのものを奪い去られる恐怖を感じ始めるのだった……。
REVIEW 日本映画&外国映画 公開作20作品、60本の批評:「嗤う分身」
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