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鑑賞日 2015/11/23  登録日 2015/11/23  評点 69点 

鑑賞方法 映画館/大阪府/TOHOシネマズ梅田 
3D/字幕 -/-
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中途半端な終わり方

聴覚障害者との恋愛ストーリー。決めつけた自閉的な殻を打ち破る強さを身につけるまでの話のはずだが...

高校時代に読んだライトノベルの感想をネット検索するとヒットしたサイト「レインツリーの国」の感想に共感したことから、サイトの管理人へメールで感想を送った主人公。

主人公(伸)は大阪出身の東京の食品会社で働く物言いがストレートで、なぜかメールの文面がそのまま喋り口調の普通の若者だ。
そのメールが縁となり、サイトの管理人の女性(ひとみ)とデートすることになるのだが、女性は聴覚障害者だったという話。


メールやLINEでのコミュニケーションや直接会うことによる伸とひとみのすれ違いや、物事を論理的に考えすぎる意固地なひとみの殻の中の身勝手な思い込みからの脱却については感動したし、途中までは非常に良い作品だった。おそらく東京に戻ってくるまでは。

しかし、どうにもあのとってつけたような終わり方は納得いかない。意味不明な瞬間移動はさておいて、恋愛物としては王道であり、確かにひとみの自閉的な殻を打ち破る脱皮を象徴していたのかもしれない。
でもこの時点では、それは恋愛している身内限定の話に過ぎず、本来重要な部分がおざなりにされている。

おそらくその後は想像力にお任せするということなのかもしれない。
最後の瞬間移動後のとってつけたシーンさえなければ、バランス的にもそれも納得がいった。

またそうだとしても、人見家の父親の描き方も中途半端極まりないし、あの時代がかった設定のぶりっ子社員との誤解が解けた過程も省略しすぎではないか? あの誤解を放置するなら、そもそもあのシーンそのものもカットすべきだったのでは?

またあの伏線もあったセクハラ親父は非常に不快であり、あまりにあっさりと流してしまうのもいかがなものかと思っていたが、なによりもひとみのあの会社における輝ける心の開放を描いてないのは何故か!?。これを想像に任せるのはどうなんだろうかと甚だ疑問に思った次第。

ということで、最後まで見て終わった感を得られなかったため、どうにもこうにも評価が大幅に下がってしまった勿体ない作品。

ちなみに俳優の演技についてはうまくやっていたとは思う。難点は演出脚本なのではないかと推測する。原作通りなのだろうか?