建物の内部と屋上でのバイクアクションだけは、バイクのスピード感を殺してせせこましさを強調するだけなので、ちょっと見ていられないと思った（路上に出てほっとした）し、例によって「そんなあほな」という展開もあるのだけれど、生身の人間の格闘シーンはほんとうに素晴らしい。トニー・ジャーの身体の線の美しさ、および動きの型の美しさもあって、どれだけ見ていても見飽きない。敵のキャラクターが主人公と同じ条件で戦おうとするさりげないくだりが、かっこよくてしびれる。