上映時間が107分→102分（短縮版）？

　環境破壊を続ける人類に対する地球の怒りが、怪獣たちを文明の破壊へと差し向けたという設定だが、このことを台詞で何度も強調し過ぎで、メッセージに依存し過ぎ。
　このメッセージなしでは、インディアナ・ジョーンズ・シリーズなどの「パクリギャグ」以外、特に特徴のない作品でしかない。

　確かに、オリジナルのゴジラもモスラも、人間のエゴに復讐する「祟り神」的な設定なのだが、『ゴジラ』（1954年）のように言葉に頼らず恐怖を実感できれば特筆されるだろうが、『モスラ』（1961年）ですら既に「悪いことをするとバチが当たるよ」な子供だまし的な内容で、本作も後者の「口先だけ」の環境破壊批判になっている。
　口先だけの正義なら詐欺師だって言ってるから、安直さは逆効果になってしまう。

　まぁ、以上はあくまで大人の観客にとっての話であって、「舌切り雀」などのバチが当たる童話と同程度の子供向け作品だと割り切っていれば問題ないかもしれないが。（実際、1993年の正月映画の本作は、子供がターゲットの興業だったと思う。）

【「オリジナル版」と「短縮版」がある？】
　本作の上映時間は、１９９２年のキネ旬決算号でも「１０７分」となっているが、１９９６年のテレビ放映版以降、Blu-Rayディスクまで「１０２分」なので、「オリジナル版」とビデオやTVの「短縮版」の複数バージョンがあると思われます。