大胆か？大雑把か？（バブル末期の作品）

　日本が（バブル経済期そのままの勢いで）発展し続け、23世紀には世界を支配したので、未来人がそれを是正して平等な世界を実現するために、1992年の日本を破壊しに来た、という教訓めいたストーリーだが、その教訓はそんなに真剣ではなく大雑把な描き方。
　これに限らず、全体的に大雑把さが目につく。

　まず見た目で3匹の小動物が作り物然とし過ぎているのはまだしも、今は亡き中川安奈のせっかくの主役の設定もフラフラしているし、何より過去に戻ることが可能という設定だと、「なんでもあり」のご都合主義（もしくは、わざわざ怪獣を使うなんて面倒な手段をとるまでもなく、過去に戻って未来を変えられるならそれだけでどうにでもなるはずだし、困った事態になったら過去に戻ってやり直せばいいはずなのに、それを「やれるのにやらない」ご都合主義）も気になる。

　ただ、「なんでもあり」は本作には悪いことばかりでなく、ゴジラやキングギドラのこれまでの基本設定をひっくり返すという荒技を繰り出してまで、なんとかストーリーを大胆で面白いものに出来ないか？という、作り手の真剣さは感じられた。
　だから、大筋はこれで良しとしても、あちこちアラが感じられる大雑把さだけは何とかならなかったかな？と思う。